IAN-Gのオーストラリア無謀旅日記 
〜ゴールドコーストCART観戦編〜

期間 2002年10月25日〜2002年10月27日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=いません)


写真が下手でスイマセン。というよりカメラが悪いんだよ!!(ウソです)


 2002年CARTシリーズ第17戦「HONDA INDY 300」を見に行ってきた旅の顛末です。当時住んでいたシドニーからバスで12時間。常夏のゴールドコーストで浮かれ気分でレースを楽しむはずだったんですが・・・

10月25日(金)
 いつものとおり元気に起床。さすがに旅行を目の前にすると何をしてもやる気がわいてくる。実際今日も昼間は仕事で移動のバスに乗り込むのは夜の話。まあ、ここで仕事の話を書くのもあれなので、ザックリ飛ばして夕方6時のバス乗り場へ。シドニーセントラル駅地上階のバスターミナルにつき、チェックインをするのだが、ここの係員のなんとやる気のないこと!多くの旅行者がカウンターにつめかけていているにもかかわらず仲間内でしゃべりっぱなしなのだ。自分がチケットを差し出しチェックインをしたところ、実にやる気のない、というよりもあからさまに不快な面持ちで、面倒くさそうに案内をしてくれた。でも、すでに心は常夏の太平洋なのでそんな態度もまったく気にせずバスに乗り込み出発を待つ。  
 観光じゃない長距離バスに乗るなんていうのも実はこれが初めての経験だったりする。よくよく考えてみると今まで長距離旅行するにも基本的に電車や船ばっかりだった。見ず知らずの人とあの狭い空間にいるという閉塞感が今までどうも気にくわなかったのだが、実際に乗ってみるとどうだ、あまり気にならないということに気づいた。幸運にも誰かと隣り合わせになるということもなく2座席を有効に使い夜の街並みを窓越しに眺めながらバスはひたすら北上を続けた。  
 それにしてもバス旅行で大変なのは「寝ること」。実に贅沢な悩みなのだが、横にならないと熟睡ができないという欠点があるのだ。飛行機でも同じ。とにかく座ったままの体勢で寝るのが苦手なのだ。それでも何とか寝なければと思いあの手この手を駆使し、いろいろな寝方を試して少しでも長い時間眠り続けるよう努力した。今回はこれが功を奏したのか、目が覚めると朝日がさんさんと輝いていた。目指すサーファーズパラダイスまでもう少しだ。

10月26日(土)
 朝の10時半にバスはターミナルに到着。ギラギラの太陽が迎えてくれた。暑い、暑すぎる。すでに街中がレース一色に染まって、歩く人たちもチケットをパスケースに入れて首からぶら下げ歩き回っている。今までもテレビなどで観客がこうしてチケットを首から下げている風景を見るにつけ、そこまでする必要があるのかと考えていたが、今回ここサーファーズパラダイスを訪れて、その必要性を実感した。まずゲートが多く、チケットの種類によって入れるゲートがばらばらであるということ、そして、市街地コースゆえ、トラック内部に住んでいる人たちは外に出て買い物をするにもゲートでチェックをされるからだ。今回僕が買ったのは一般入場券だったからスタンドには入ることができない、コースサイドから間近に迫るマシンを楽しむ算段だ。もちろんチケットを首から下げるなんてこともしなかった。  
 
↑チャンプカーが市街地コースを行く。(ともにチップガナッシレーシング。左、#12ブルーノ・ジュンケイラ。右、#31スコット・ディクソン)

 そうして少しコース脇を歩いているとCARTマシンが練習走行を開始。鼓膜を突き破らんばかりのエキゾーストノートを奏で始めた。レーシングカーの魅力は何かといえば「エンジン音」、特に多気筒エンジンの甲高い咆哮がなんともいえないのだが、たった2.65リットル8気筒ターボのエンジンのサウンドも実に魅力的なものだった。一番いい音を出していたのはトヨタ、次にホンダ、フォードはそれに比べるとやや低く正統派アメリカンV8の音をしていた。あと、テレビでは気づかない部分に注意が傾くのも生で聞く楽しみだ。トラクションコントロールのかかり具合もしっかり聴き取れた。これもトヨタエンジンがよく働いていたな。実際のチャンプカーを目の当たりにして早くも舞い上がってしまった。


↑これがV8スーパーカー。唯一の純正オーストラリアのレースで日本で言うとスーパーGTくらいの人気があります。
ただしこのレースから世界に飛び出したドライバーはいまだいません。


 セッションの間にはサーキット内、というより市内を歩き回る。もともとスタンドで見ることなんて考えなかったから行くところまでいってマシンが走り始めたら適当なところで見る。こういう見方ができるのも市街地コースの面白いところ。通路からガレージが丸見えだったり、チーム側もスペースを有効に使いよく見えるところにパーツを置いてくれたりと実にオープンな雰囲気でした。

↑こんな風に無造作にカウルが置かれていたりもします。(#27、チーム・グリーンのダリオ・フランキッティ車)

 午後はCARTの予選とV8スーパーカーの第1レース。チャンプカーのあのサウンドを聴いてしまうと、いかにアメリカンV8といえども若干劣ってしまうのだが、大柄なボディで狭い公道コースの中をぶつけんばかりのサイドバイサイドでバトルを展開していく様子は往年のDTMを彷彿とさせるものだった。世界にはまだこんな面白いレースもあったのかと少し自分の視野の狭さを後悔、しかし、見ごたえのあるレースで今日を締めくくり、さらなる楽しみを明日に控えコースを出る。ビールを飲み、大いに日焼けもした、赤くなって痛いけど。

↑コース敷地内で孔雀発見!! 轢かれんなよ!!

 そして、夜なのだが、(”XXXX”ビールのことを”XXX”といってしまい、店員のオネーチャンをドン引かせてしまったものの)晩御飯を優雅に食べたあと、ひとつ問題が生じた。まず宿を予約していない、当たり前だが近所のホテルほかすべての宿泊施設が満室。しかし、市内はお祭り騒ぎで眠らない街と化していた。その状況でどのようにして一夜を過ごすか。ここで夜を明かすのはこの一日だけなのだ。そこで最終的にとった行動は、「お祭り騒ぎに乗じて眠らない」こと。今考えたら何をバカなことを、と思ってしまうが、とにかくこのときは完全に舞い上がっていたからしょうがない。でも、そこかしこの野外やパブなどでミニライブがあり、おそらく同じ境遇であろう人たちが大勢街に繰り出していたので夜の街を少し歩き回ってもあまり目立たない。そんなこんなで夜明けを待っていたのだが、ここから「サーファーズパラダイス」が「ウォーターパーク」に変わろうとは知るよしもなかった。

10月27日(日)
 朝の5時、ゴールドコーストの水平線から上がる太陽を見ようと海岸に行ってみたのだが、少し様子がおかしい。明るくはなるのだが太陽が一向に姿を現さない。そのまま時間は過ぎていき、開場の時間になっても曇り空のままだった。朝飯は開いたばかりのマクドナルドでハッシュドポテトとコーヒーをいただく。
 
 この日はまずピットウォークに参加することからはじめた。ウォームアップ直前のピットでの仕事はいったいどんなものかを探りつつ、写真をとりまくった。レーシングマシンのメカニズムというものに大いに興味があるからこうして間近で本物のパーツやシャシー、エンジンなどを見ることができるのは実に幸せ。チーム側も心得たもので、見られて困るものにはすでにカバーがかけてあった。でも、サスペンションやディフューザーなんかは撮り放題だったのでありがたくカメラに収めさせてもらった。はっきり言ってこれで22ドルは安かった。  
  
↑こんな近くでレーシングカーを見られるとは!なんて幸せなんでしょう!F1じゃまあ無理ですね。

 そして午前中のV8スーパーカーの第2レースの途中、遂に恐れていたものがやってきた。雨、なんとゴールドコーストに3ヶ月ぶりの雨が降り出したのだ。タダでさえ朝から曇り空で涼しかったのだが、この雨で一気に寒くなってしまった。もちろん観客もまさか雨が降ろうとは!という感じで、上半身裸のアンチャンやへそだしルックのオネーチャンたちはまるでこごえそうな表情をしていた、そりゃそうだ。誰がこの雨を予想しただろう。幸い午前中は雨も小降りですぐにやみ、海岸線から晴れ間も見えていたから心配ないはずだった、これが大いなる間違いだったのだけれど。

↑見よ!このゴールドコーストにあるまじきどんよりとした空を

 CARTの決勝が始まるころ再び雨が降り始めた。しかも今回は大粒のが絶え間なくである。これで一気に路面が濡れ始めて、コース上は路面乾燥車がせわしなく動き回っている。しかしそれでも何とかレースは始まったのだが、オープニングラップに出たあと誰もホームストレートに帰ってこない。ご存知のとおり多重クラッシュが発生してレースが中断したのだ。ちょうどそのとき第1シケイン(事故発生現場の正反対の場所)から見ていたので、最初何が起こったのかわからなかった。そのうち場内アナウンスでことの顛末を知り、再スタートまで雨の中1時間半も待つことに。そして再スタート後すぐに雨が再びひどくなり、結局最後までペースカー先導のまま終了。後半は観客もほとんどいなくなり、実にさびしい幕切れとなった。しかし、結果はマリオ・ドミンゲスが初勝利を挙げるという波乱の幕切れとなり、最後までいて、とりあえず雨に濡れた甲斐はあったなと思っている。

 さすがにこの雨の中では街も盛り上がりようがなく、晩御飯も新たに探すのが面倒になったので昨日と同じ店に入ることにして、そのあとそそくさとバスターミナルに戻り、帰りのバスを待つことにした。しかし、初めての海外レース観戦が大雨によって史上まれに見る大波乱のレースになったというのは、はたして運がよかったのか悪かったのか判断に苦しむところではある。まあ、スロー走行でマシンも間近でじっくり見られたことだし、よかったと思っておこう。

10月28日(月)  
 ということで雨にぬれ、身も心も疲れ果ててバスに乗り込む。それにしても夜のバスターミナルは実にやる気がない。誰も係員がいないのだ。チェックインも乗車案内も各自セルフサービスという感じで誰も相手にしてくれない。まあ、時間があったから公衆ネット(オーストラリアには1ドル5分くらいのインターネット端末がよく置いてある。)でCARTの結果などを確認して、それからはひたすら南下で再び一晩かけてシドニーに戻りました。
 この日からちょうどサマータイムが始まったシドニーは今までより1時間早くなったのだが、家に帰り着いて一眠りして起きたら夜の8時なのにまだ明るい。すっかり調子が狂ってしまったが、とりあえずスーパーで見つけたカンガルー肉を焼いて食べてから再び眠りに着いた。  


↑普段のサーファーズパラダイスはこんな感じです(2003年2月撮影)

 今回の旅を総括して一言「疲れました。」さすがに3泊4日、うち車内泊2日、1日市内を放浪という無茶な行程はつらかった。タイトルどおりの「無謀旅」でした。もうこんな旅はやめにしよう。  
  そして何度も言うように初めての海外レース観戦がこの有様、果たして来春のオーストラリアGPはまともなレースになるんだろうか?まあ、大荒れでM・シューマッハーが早々にリタイアしてくれるなら大雨でも多重クラッシュでも甘んじて受けるだろうけど。それにしても土曜のうちに日焼けしすぎて顔から肩から痛くてしょうがない。オーストラリアにはシーブリーズが売っていないんだよねぇ。
 (その願いが通じたのか2003年のオーストラリアGPではデビッド・クルサードが優勝してくれました。しかし残念ながらこのレースをメルボルンで見ることは叶わなかったわけですが)


↑クルマの写真(しかもブレまくり)ばっかりでもアレなので。目の保養にどうぞ。


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