IAN-Gの無謀旅日記~香港編、その3~

期間 2014年5月3日~2014年5月5日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=かみさん)


↑香港で感じる旬の食べ物ではないですが、こんなのを楽しめるのも国際都市だからということで。

5月3日 (土)
 羽田空港はこの春国際線ターミナルが拡張さたらしい。かつての定期チャーター便しか来なかった掘っ建て小屋の時代を知る身にとってはよくぞここまで便利になった、と思うことしきりである。うちから成田までだって人もうらやむ近さ便利さではあるが、地下鉄とモノレールでそこそこ安く行ける(乗り換えもたった一回だ!!)羽田の魅力には叶わない。しかもこれからは気ままな一人旅ではなく横にかみさんがいる旅なのだ。近いのは大歓迎なのである。 朝の6時前には起きて準備をして家を出る。空は、もう十分に明るい。羽田空港について早速チェックイン。いつもなら事前にオンラインで済ませてしまうのだが、ゴールデンウイークでしかも人気の香港なので事前の座席指定ができず空港のチェックインカウンターの係りのオネーサンのさじ加減で席を決めてもらうしかないのだ。しかも二人して真ん中の席はダメ、情けをかけてくれたのか通路を挟んではす向かいの通路側2席をとってくれた。これはありがたい。チェックインが済んだら両替をして朝飯を食べてから出国。これまで羽田の国際線は大型連休や盆正月にかからない時にしか利用しなかったのでそれほどの混雑はなかったのだが今日はそうはいかず、行き先々で待たせてくれる。なんだかんだで搭乗時間直前に搭乗ゲートにつきややせわしないまま空へと飛び立った。四時間半のフライトは退屈を持て余すこともなく穏やかに過ぎて行き、お昼過ぎには赤蝋角に到着。
 滞在中の天気予報は見事に傘マークが並んでいたが、今の所は何とか持ちこたえている。荷物も早く出てきたし滞りなく香港へ入国完了。機場快線のチケットはかみさんのことも考えて往復プラス地下鉄が三日間乗り放題になるトラベルパスを購入した。チャージさえすればオクトパスカードと同様に使えて、バスもトラムもスターフェリーも乗ることができるしコンビニで買い物もできる。機場快線であっという間に中環に着いたら地下鉄を乗り継ぎ湾仔へ。前回泊まった宿(こちらです→hongkong.metroparkhotelwanchai.com)が便もよかったので今回もここにした。通された部屋は最上階。景色は窓がビクトリア湾とは反対方向なので綺麗とは言い難いがなかなか壮観である。やっぱり宿は予約サイトを通さず極力宿のサイトから直で予約すると扱いがいいような気がする。荷物を起き、地下鉄で中環にとんぼ返り。

 早速今日のメインイベントに臨む。今までの一人旅だったら間違ってもしないことである。地下鉄で向かったのは香港が誇る高級ホテル、マンダリンオリエンタル。なんとここのクリッパーラウンジでアフタヌーンティーと洒落込むのだ。予約なしで飛び込んだのでロビーで少し待ったが30分はかからずに座ることができた。事前に仕入れた情報では予約はできないとのことだったがどうやら受け付けているらしい。今後の参考にしよう。紅茶(茶に関しては素人なので無難にアールグレイを選びました)のうまさにも驚かされたが、食べ物は三段トレイにうやうやしく盛られたサンドイッチにスイーツ、さらにスコーンまでつく豪華さ。しかもそれらが全て辛党の自分でもうまいと思う上品な甘さで結構食えてしまうのだ。二人用サイズを果たして食べきれるか心配だったが見事完食。優雅な時間を過ごさせてもらった。

↑スイーツですよ!酒と酒のつまみしか出てこないはずのこのサイトでスイーツですよ!!

 夕方は中環とソーホーをエスカレーターを使いながら歩く。「どうせなら一番てっぺんまで行ってみたい」という」かみさんの好奇心につられて本当にエスカレーターの一番上まで行ってしまった。ところどころオシャレな建物や味のある商店はあるが流石にここまで来ると完全な住宅地だ。降りる途中、中腹のアイリッシュパブでギネスとサイダーを飲んで落ち着いてから本日もう一つのメインイベントへ。中環のフェリーターミナルからバスでビクトリアピークへ向かい、百万ドルの夜景というものを味わってみようというものだ。しかし、夜の山道を順調に進んでいたところで雨が降ってきた。山頂までつくと細かい霧雨が吹き付けてくる。幸い8時のシンフォニーオブライツに間に合ったものの、空は煙って夜景としては二十五万ドルくらいかな?という具合である。

↑曇り空では、まあこんなもん。きれいな夜景が見たかったら寒くても冬行くべきかと。帰りは大混雑。

 雨も弱くならないのでひとしきり夜景を楽しんで下界に降りるのだが、帰りのバスは乗るために大行列に加わらなければならないのだ。バス三本ほど見送ってようやく乗ることができ金鐘の駅から地下鉄で湾仔に戻って晩飯。宿の近くで豚足そばを食べる。前回も食べてうまい麺だな~と思っていたらなるほどミシュランで紹介されていた。伝統的な竹で生地を伸ばす手法で作られた麺を使っているとのことだ。腹はそこそこ膨れたが酒はまだまだ足りない。しかし飲み歩きはせず明日のことも考えて部屋で飲み直し、というわけでテイクアウェイでローストポークを買ってコンビニでブルーガールを調達して宿で改めて一杯。ダブルベッドの隣にはかみさんがいるので大の字とまではいかないが充実した一日をかみしめて初日の夜はふけていった。

↑ローストポーク。塩味のつき方が若干まばらでしたが酒のつまみには十分。


5月4日 (日
 香港二泊三日の旅はソウル一泊二日に勝るとも劣らない強行軍だから朝も早い。昨日も12時過ぎに寝たが今朝は6時半起き。香港では宿の朝飯はナンセンス、外で食べないと勿体無いが、今日は麺でも粥でもない。なんと飲茶である。これもかみさんのリクエストで行く店も上環に近いローカルな店。飲茶自体はぜひとも経験したかったのだがそこが一人旅の悲しかったところでなかなか踏み込めなかったのだ。昨日のアフタヌーンティーよろしく午後からということも考えたが、朝のほうが比較的すいているというので朝食で食べることにした。一体どうなるやらと案ずるよりもまずは突撃とばかりにトラムで上環まで行き迷うことなく目的の店へ。

↑今回飲茶した上環の名店「蓮香楼」。朝から大賑わいです。

 席の案内もないところなのでまずは席探しから。やり方は簡単。空きそうな席の後ろで仁王立ちして空いた瞬間に座ってしまうというもの。これは幸いすぐに見つかり次はお茶選び。無難に寿眉茶を選んでさあ、ここからは点心三昧である。しかし、ひとつ問題が。というのもうちのかみさんは甲殻類と頭足類がアレルギーでNGなのだ。エビ餃子にいか団子などなど点心にはつきもののこれらを上手に避けつつうまい点心を選ばなければいけないという難しいミッションが課せられるのだ。それでもモミジの甘辛煮、ごま団子に肉しゅうまい、キノコとキクラゲの入った腸粉等々うまい点心にめぐり合うことができた。相席が当たり前の席だが同席した地元の人らしきおっさんたちもフレンドリーでその後続々と我々のテーブルに集まった観光客風のカップル数組にもいろいろ指南していた。周りの席を見ても結構一人の人が多い。地元の人に混じって堂々と地元の人らしく振舞うのはお手の物なので、ここなら次回以降一人でも来れそうだ。一人で香港行く機会があれば、だが。


↑しっかりとした食事から甘物まで点心選び放題。食べる順番なんて気にしない。

 腹一杯になってから店を出ると雨がシトシト。それでも負けずに観光客を気取りスターフェリーで九龍に行くと雨脚は更にひどくなり、仕方なく昼過ぎに行く予定にしていた深水(土歩)に先に行くことにする。ここなら街市も大きくて見応えもあるし、西九龍中心もあるので雨が弱くなるまで屋根の下でしのげるのだ。かみさんも見事なニワトリ捌きやカエルうごめくカゴなんかにも興味を抱いてくれてこちらも案内しがいがある。雨が弱まってきたのを見計らって鴨寮街へ。香港初めての、しかも女性には恐ろしくハードルが高いものの、これに行かないと香港来た気がしないということで蛇屋へ。もちろんかみさんにも蛇羹を食べてもらった。味はなかなかというのでひと安心。ただし朝の点心がまだ消化し切れていないということなので自分が一人前半食べた。こちらも蛇がいつもより多く食べられて大満足。
 この時点で雨はほとんどやんできたので、徐々に九龍を南下。まずは旺角で女人街とペットショップが並ぶ一角を歩く。 日曜ということもあり人が随分出ている。狭い香港でもペットを買いたい人は多いようで人気は場所をとらない小動物や熱帯魚。そのあと海沿いのプロムナードに着く頃には晴れ間も見えてきた。ブルースリーの銅像も明るい空によく映える。九龍での昼間の行動を終え香港島へ戻る。

(左)旺角の金魚街はさしずめ香港の動物園。狭いから動物のサイズもちんまり。
(右)女人街。売ってるものが男人街に似てきたような気が・・・


↑このブルース・リーを撮った時が今回の旅行で一番晴れた瞬間でした。

 スーパーでお土産を買った後はかみさんのリクエストで「許留山」でスイーツである。これも一人だったら間違いなく行かないところだが行ったら行ったでいいもんだ。香港のマンゴーはうまかったなぁ。朝から動いた体に甘さが染み渡る。一旦宿に帰り休憩。

↑冷たくてスイーツは暑い中街歩きをしてきた体によくしみ込みます。今まで知らんかった。

  夜は香港に来たからにはここには連れて行かねばならない、ということで男人街へ行く。ただ、何となく観光地化が進んでディープな雰囲気が薄れているのは否めない。売っているものはほとんど一緒だし、明らかに著作権無視のグッズもおとなしめ。飯屋だけはまだまだいい雰囲気だが観光客をぞんざいに扱うおばちゃんは結構いる。魅力が失われているのか、それとも自分が狭量になっているのか、一応後者にしておこう。

↑男人街。一回案内したので次回以降は多分近寄らないかも。


 ちなみに晩飯でもかみさんのチョイスが奏功した。チャーハンを頼んでいたのだ。旅先、特にアジアでの晩飯はつまみメインで炭水化物はあまり摂らないのだが、この出てきたチャーハンがかなりうまかった。ご飯はぱらっと、卵はふんわり、レタスはシャッキリとしていてこれならいくらでもいける。観光地の飯屋でこのレベル、さすがは香港。腹一杯になってもう少しだけ夜の町の空気を楽しんでから湾仔へ戻りかみさんはそのまま宿へ。自分は駱克道にあるアイリッシュパブでテトレーズとキルケニーを飲んでから宿に帰って眠りに着いた。
5月5日(月)
 早いものでもう最終日。本当に早いわ。それまでのどんよりとした空から少しまともになって明るい空になっている。いつもよりゆっくりの7時過ぎに起きてシャワーも浴びずに中環へ向かう。昨日の朝飯が飲茶だったので、今日は王道のおかゆにする。当然うまいおかゆにありつきたいのでわざわざ中環に行くというわけだ。昨日はがらがらだったトラムも今日はいつもの月曜日だから満席。街には無料の新聞を配るオバチャンがそこかしこに立っている。これをもらって広げて読んだふりをすると地元民に見えてきますよ。
 おかゆ屋は過去2回とも立ち寄ったところで今まではなんとなく歩いてなんとなく着いていたが同行者がいるのでさまようわけにもいかず今回はしっかり地図を確認して行ったのだが、すでにやっている時間だろうというのにシャッターが半開きなのだ。これはもしかしたら8時からかな?というわけで腹をすかせるついでに近所の青空市場やハリウッドロードを歩いて8時過ぎてから再び行ってもシャッターはやっぱり半開きのまま。店のオッサンオバチャンはいるし、鍋から湯気が立っているので休みというわけではないのだろうがなかなか開かないので残念だが今回のところはあきらめることにする。もちろん保険はかけてあって湾仔の駅の近くにある粥麺専家でアッツアツのお粥を一気に流し込む。やっぱり朝はこれに限るな!ここまで暑くはないがこの長雨で湿度が100%寸前なのでとにかく動くと汗がどんどん出てくる。改めて宿に戻ってシャワーを浴びて洗い流し宿をチェックアウト。空港に向かうのは12時で今は9時半。まだまだ時間はある。テレビ番組の最後の最後に出てくる「まだまだ続きます」って感じではあるがな。かみさんがもう少しお土産を買い足したいというのでなんかあるだろうということと、若干の街歩きを楽しむためまずはトラムで銅鑼湾へ。

↑銅鑼湾のヘネシー・ロードは香港の都会の中では開放感がある場所ではないかと。看板少ないし。

 そごう周辺はおしゃれショップばかりだが、その反対側は小さい店もたくさんあると覚えていたから行ってみたのだがあるのは飯屋と薬局ばかりで意外とバリエーションに欠けていた。こんなだったっけ?結局そごうで中国茶とXO醤を買った。後で気づいたのだがこのXO醤、台湾製だった。ま、いいか。銅鑼湾はこの辺にしてトラムで行く道すがらで見つけたお茶屋さんで(こちら→www.kichantea.com)かみさんがお土産用でない本格的な中国茶も欲しいというのでここでも買い物。これも一人では多分やらないことだったろう。3回目となる香港だったが、アフタヌーンティーに飲茶にお茶屋で買い物、なかなか新鮮な経験ができた。最後に近くの店でライスヌードルを食べて全行程を終了。宿で荷物を受け取り、電車で空港へ。チェックインのときにバラバラの席しか取れなかったが搭乗ゲートで再調整してください、といわれて出国したが、ここで空港のアナウンスで自分の名前が呼ばれるという大変貴重な体験をさせてもらった。最後列だが真ん中の席が無かったので非常に助かった。かみさんは窓際なら大丈夫なのだ。ほかの人に気兼ねすることなく座れてリラックスして羽田まで帰ることができた。

ちなみにあまり天気に恵まれなかった旅行だな、と思っていたらこの旅行の前後一週間、香港はずっと雨だったらしいです。なんだ、実は運がよかったんじゃないですか。

↑今回は肉分少なめだったので肉マニアの皆様ために生肉画像をどうぞ。


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