イギリスはパブの本場。アイルランドもイギリスに劣らない秀逸なパブがいっぱいあります。そして旧イギリス連邦の中でもっともこのパブ文化を踏襲しているのがオーストラリア。カウンターで酒を頼み、品物を受け取って、お金を払ったらあとは好きなところで飲む。ほかの国ではちょっと見られない光景ですが、少なくともこの3つの国ではあたりまえの光景なんです。実に愉快なイギリスのパブ、アイルランドのパブ、オーストラリアのパブの特色を見てみることにしましょう。
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パブを見つけたいなら角地を探せ!!
パブに入ってみたいけれど、一体パブってとこにあるの?確かにUKのパブなんかは寒いから戸も閉まっているし外からでは分かりにくいかもしれません。しかし、パブを探すのに一番分かりやすい方法が「角地を探す」ということ。ロンドン、シドニーのような大都市でも意外なほどに角地にパブがあります。「全ての街角にパブあり」という言葉はあながち間違いではなさそうです。
確かに通りのまん真ん中にも普通にあったりもしますけどね。しかし、市内中心部から少し離れたところならばいまだにその伝統から角地にパブがあります。いくら狭くても間口だけは広く取れますからね。
ほかに分かりやすいパブの見分け方は、UKならば軒先にある看板、オーストラリアならばビールブランドの看板ですかね。特にUKのものは識字率が低かったときの名残でその看板の絵を見るだけでパブの名前が分かるというスグレモノ。後は軒先でビール飲んでいる人がたむろしていたらパブだと思えば間違いないでしょう。この光景はヨーロッパ有数の金融街、ロンドンのシティでも見られる光景です。しかも真昼間から。
↑こんな感じですね。(左上、The Elephant Head:Camden London UK。右上、Prince Alfred:Bayswater
London UK。
左下、Kyteler's Inn:Killkenny Ireland。右下、Shakespeare Hotel:SurryHills NSW。)
パブといったらやっぱりビール。
パブのイメージはなんといっても「カウンターにずらりと並ぶタップ」に尽きるわけで、やっぱりまず最初に頼むのはオンタップのビール。
UKには「リアルエール」といわれるまさに「活きたビール」があって味も香りも日本人が考えるビールとはまったく一線画すものです。このリアルエール。流通の発達した今でこそロンドンのエールがスコットランドで飲めたり、さらには東京でも飲めたりしますが、本来「活きている」ゆえ味のピークが短く、管理も難しく、なかなかUK国外には出回らないどころかほとんどが地元消費されているモノばかり。狭いグレートブリテン島でも全土を網羅しているものはなく一口に「コレ!!」というものがないのですが、逆に言えば行く街ごとに違う種類のリアルエールに出会えると考えればコレはコレで魅力のあるもんです。見分け方は簡単。電気式のサーバーでなく「ハンドポンプ」と呼ばれる大きなハンドルがリアルエールの証拠(たまにサイダーあり)。
大抵のパブには3〜6台のハンドポンプがあって、その内半分が地元メーカーのエール、もう半分がイングランド各地から季節に合わせて選んだエールを並べています(これをゲストエールといいます)。前述の通り管理が難しいので当たり外れも多いのですが、そういう時は下の写真にある”CASK
MARQUE”が玄関先にかかっているパブを選びましょう。リアルエールの品質管理が適正に行われていることを表しているマークです。
(左)ウェールズのエールブランド”Brains”。隣町でも飲めるエールが変わってくることだってUKには多いのです。
(中)ハンドポンプでエールを注ぐ。余計な炭酸が入らないのでグイグイ飲めてしまいます。(Doctors:Edinburgh Scottland)
(右)”CASK MARQUE”。うまいエールを飲みたいなら、まずこのマークを探しましょう。(The Malt Shovel:Edinburgh
Scottland)
一方で同じエールでも酵母をろ過して樽詰めし、混合ガス+電気式サーバーで注ぐのがケグエール。こちらは流通範囲が広く、管理もリアルエールに比べれば容易なので、全国区のものがあります。最大の特徴は「冷たい」こと。リアルエールは赤ワインと同じくらいの12℃〜14℃くらいの温度で飲みますが、ケグエールは6℃前後。歩いた後にも、食事をしながらでもよく合います。
UKから海ひとつ隔てたアイルランドではなんと言ってもギネス。この国のビール市場はギネス(およびその親会社のディアジオ)の寡占市場でオンタップのビールもギネス、キルケニー、スミズウィクス、それにライセンス生産しているハイネケンとバドワイザーがほとんど。マーフィーズやビーミッシュなどはダブリン市内ではあまり見かけません。それ以外を見かけたら即チャレンジしてみましょう。ちなみにギネスとキルケニーならばUKでもオーストラリアでも、日本でも大抵飲むことができます。東京でも、サッポロをはじめとする得体の知れないブランドを目の当たりにした外国人観光客(らしき人)がギネスを頼んでいるのをよく見かけますね。(たぶんハイネケンとかカスバとかは芸が無いから頼みたくないんでしょうか?)
(左2枚)この絵の古さからしてアイルランドのビールは相当前からギネスとスミズウィクスということになりますな。
(右)>クアーズ、カスバ、バドワイザー、ハイネケン・・・アイルランド人もラガーが好みのようで。(Fibber Magees:Galway Ireland)
UK、アイルランドが「ぬるいビール」の国ならば、それとは逆にキンキンに冷えたドラフトビール天国なのが南国、オーストラリア。近頃流行の「エクストラコールド」はまさにこの国のためにあるといっていいでしょう。
国土が桁外れに広く、自家醸造も盛んな国だから、ビールの銘柄がとにかく豊富。フォスターズ、VB、カールトンは全国区。NSWならトゥーイーズ、QLDならXXXX、WAならスワンという風に州ごとのアイコンとも言えるビールがあって、レッドバック、ビーズニーズなどのさらに小規模生産の「ブティックビール」と呼ばれるものもあれば、各地で見かけるブリュワリーパブ・・・と選択肢の幅はUK本土をしのぐほど。一日かけて5〜6種類を飲みながら効率よく自分にあった銘柄を見つけたいところですな。
注文するときは銘柄+サイズを言います。ほとんどのところが1ptもしくは1/2ptでOKです。オーストラリアは少々特殊で、シドニーのようにScoonerだったりMidiだったり、Potだったりという用語が出てきます。シドニーオリジナルのScoonerは350mlくらいで、ちょうどいい量だと思います。何軒も回るとなると1ptだと多すぎますしね。(1/2ptだと少ないんですよ・・・)
各国のドラフトビールと日本のそれとの最大の違いは「泡の厚さ」。ハンドポンプはもとより、海外でドラフトビールのタップを見ている限り、日本のような泡だけを作る機能はありません。リアルエールならただ注ぐだけにもかかわらず計ったようにいい具合に泡が出るし、オーストラリアなんかはグラスの縁からほんの数ミリまでビールをついでくれますし。「泡の部分を勘定に入れない」縁がふくらんだ1ptグラスがあるように泡に対するこだわりはまったっく無いといっていいでしょう。ビジュアル的に少しさびしいですが、いいんです。「気が抜ける」とか「うまみが逃げる」とか言う前に全部飲んでしまえばいいんですから。
↑タップの種類も多種多様。アーチ型のタップはQLD州でよく見かけます。管が凍っているので涼しさ満点!!
(左)そうかと思うとこんなドえらい旧式のタップがあったりもします。(Prince of Wales:Ipswitch QLD)
(右)吊り下げ式タップはできたてがそのまま飲める工場隣接ならではのもの。(XXXX Alehouse:Milton QLD)
ちなみに、樽詰めビールばかりが注目されますが、もちろん瓶のビール(小瓶サイズ)もパブにはしっかりとあります。ミディ(1/2pt)よりは多く、1ptよりは少ないという量がちょうどいいのか地元の人たちは結構瓶ビールを飲んでいます。大抵カウンターの後ろにショーケースがあってどんなビールがあるか見ることができるのでたまには頼んでみるのもいいかも。
英国人はワインもお好き。
何しろかつでボルドーを自国領にし、ラトゥールやら、マルゴーやら、ラフィットやら、オー・ブリヨンなんかを飲んできたお国柄。いや、無い物ねだりといったほうがいいのか、とにかく英国人はビールも好きだがワインも大好き。地方の小さなパブではまだまだ「パブでワイン」なんて信じられない話ですが、ロンドン市内ではワインは確実に人気商品として浸透してきています。何しろ「本日のワイン」なんていうブラックボードがあるくらいですから。
もともとUKとフランスは距離でいえば大して遠くない。ワインの流通に問題もないので供給にも問題はなさそうです。ただし、流行の最先端にあるものは大抵パリか東京に行ってしまうようですが・・・
しかし、そこはかつて日の沈むことの無かった大英帝国。オーストラリアという優秀なワイン産出国を抱えていることもあり、現在ではロンドンのパブではオーストラリアワインがずいぶんと幅を利かせています。複雑なAOCを理解しないといけないフランスワインに比べればシンプルにブドウ品種を明記するオーストラリアのほうが売るほうも飲むほうも分かりやすいし、スクリューキャップのボトルも開栓後の劣化を防げるし、そして何より安い!
ちなみにパブワインの定番はやっぱり”Jacobs Creek”のシラーズ&カベルネ・ソーヴィニヨン(赤)とシャルドネ(白)。またこの二つはローストビーフや、フィッシュ&チップスといった英国料理によく合うんですよねぇ。
←日英豪愛越馬星、どこに行ってもパブのワインはJACOB'S。
もちろんオーストラリアに行ったらパブで飲めるワインも豊富。一通りのメジャー品種のワインはもちろん、今流行のスパークリングシラーズも飲むことができます。暑いからか人気はやっぱり冷やしておいしいセミヨンや樽を使わないシャルドネです。
ブドウがないならリンゴでいい、ということ
UKはワインを造らない、いやブドウがないから作れない。その代わりイングランドではリンゴなら取れる。なので実はサイダー(フランス語でシードル)もパブではメジャーな酒です。アルコール度数は4%前後とエールとほぼ変わらないので安心して飲めます。UKではStrongbow、アイルランドだとBulmers/Magners(UKにも同名のブランドがあるためアイルランド以外ではMagnersで知られています。)が有名なブランドで、オンタップで飲めますが個人的には瓶入りで氷を入れたグラスに注いで飲むほうが好きです。ちなみに梨で作ったサイダーもあってこちらは酸味控えめで甘味があるので飲みやすいです。パブ飯にも会います。
しかしイングランドのサイダーはコレだけではすまない。小規模、少量生産、地元消費が多いUKのブリュワリー、サイダーもその例外ではなく地元のメーカーによる無ろ過、カスクコンディションのサイダーというのが各地にあって、リアルエールよろしくややぬるめの温度でハンドポンプや樽から直接注ぎます。リアルエールを飲もうとして適当にハンドポンプを指差したらサイダーだった・・・なんてことも。エールとラガーがまったく別物のようにコレも上記の冷やして飲むサイダーとは別物といっていいでしょう。
日本でもアイリッシュパブなどでStrongbowが飲めますのでぜひお試しを。
↑コレは両方とも梨のサイダー。BulmersのラベルがUK(左)とアイルランド(右)で違うのは名前だけが同じ、違う会社のものだからなのです。
食後のナイトキャップも
食事の後にちょっと一杯、というときにもパブは役に立ちます。ビールのタップと並びパブの象徴的な光景といえばカウンターの後ろにある各種スピリッツ、リキュール類。ジン、ウォッカはもちろん、スコットランドではスコッチウイスキー、アイルランドではアイリッシュウイスキーが多数並んでいます。オーストラリアではQLD州のバンダバーグ・ラムが有名で(コーラ割りならなんとオンタップで飲めるところもある!!)、いずれもロック、水割り、ソーダ割り、コーラ割りができるほか、カクテルもメジャーなものなら大方作ってくれます(シンガポールで、シンガポール・スリング頼んだことしかありませんがね・・・)
さらに「Friday night Knocker」でおなじみのレッドブルが先鞭をつけたエナジードリンクで割るというのもずいぶんと一般的になってきました。近頃のUKでは”Monster”なるエナジードリンクが流行っていたし、スコットランドに行くとスコッツマンの元気の源、”IRN-BRU”もウォッカなどで割って飲んでいる光景を何度も目にしました。プリミックス版も出ているくらいだから結構メジャーのようです(商標の都合なのかこちらは”Iron
Brew”と書かれている)
聞くと、IRN-BRUは二日酔いにも効くそうで。うまさ云々よりもそっちのほうが主目的なのでしょうか?
(左)ミニを改造したレッドブルの宣伝カー。ダブリンにて撮影
(右)なぜかスコットランドだけで大人気のIRN-BRU。味ですが、メッコールやサスケが飲める人なら問題ないかと
いつもニコニコ明朗会計〜キャッシュ・オン・デリバリー〜
さて、ビールを飲んだら支払いということになるのですが、パブの特徴として、カウンターで注文し、品物を受け取ったところで代金を払うというのがあります。これはかつて英国において「飲み逃げ防止」のためにできたシステムで、やれ伝票だ、やれレジ打ちだとわずらわしい作業が少なくて済むし、飲むほうも自分の懐具合、酔い具合に合わせて飲めるので非常に合理的。自分のようにビール一杯だけ・・・というときにも気兼ねなく飲めます。
↑代金はカウンターでビールを受け取ったら払いましょう。(The Brewhouse:Brisbane QLD)
基本的に一人旅なので誰かと一緒に・・・なんてことは無いのですが、そういう時はツレの分も合わせて誰か一人が代表していきましょう。混雑&混乱防止のためです。オーストラリアではコレを「Shout」と呼び、支払いは注文した代表者のおごり。全員が「Shout」すれば人数と同じ数のビールが飲めるというわけです。”It's
my Shout”といってみんなの注文を聞いてカウンターに行きましょう。
そんな素敵なキャッシュ・オン・デリバリーシステムなのですが、最近、特に観光地のレストランを兼ねたパブで、最後にテーブルで会計をするところも増えてきています。直接テーブルに座って料理と頼んだときに適用されるようで、普通にカウンターでビール一杯頼んだときなんかは相変わらずその場で払うことができます。あと、お国柄なのか日本にあるイングリッシュ&アイリッシュパブにも最後に会計するシステムのところありますよね〜。落ち着いて飲めません。
どこで飲むか。そこが問題だ。
パブの一番いいところ。それは「どこで飲もうが自由」ということ。ビールを受け取ったカウンターで、テーブルで、壁に寄りかかって、階段に座って(もちろん通る人のジャマにならないように)、ライブ演奏を見ながら立ったまま、店の外で大騒ぎしながら(グラスは必ず返却すること)とにかくどこで飲んでも一向にかまわないのですよ!コレが何がいいかというと、「満席」という概念が無い、ということ。日本では「スイマセン、ただいま満席です。」というこの国固有の非情なるフレーズがあるが(驚くことにイングリッシュパブを名乗っているところでさえ!)、本物のパブにはそれが無い。もちろん週末なんかは本当に立錐の余地なしで場所探しに苦労するけど、飲めないわけではないので「馴染みの店がいっぱいだったから今日はあきらめるか・・・」なんて夜の街角、仕事に疲れたさびしい家路を経験することが無いのです。ま、たまに「今日は○○カレッジのパーティーで貸切です」なんてこともありますがね。(シドニーに住んでいたとき、近所のパブで何度か言われました)
↑こんな感じでカウンターをはさんでオヤジと話すのもまた一興。(Settler's Inn:Ipswitch QLD)
「パブめし」は旅人の強い味方。
もともとパブは酒を売るところ。しかし、うまい酒にはうまい料理、というのが人情というもの。それにどうせパブで飲んでしまったのだからついでに飯も食べておくか、ということもありますね。というわけでほとんどのパブで食事をすることができます。
↑日本語で言うと「ステーキ&各種炭火焼有り升」ってとこですかねぇ.。(The Model Inn:Cardiff Wales)
オーダーの仕方が少々厄介で、酒を頼むときに一緒に頼めるところ、料理を注文するカウンターが別にあるとことろ、店内にいるスタッフに頼むところなどなど店によって違ってきます。出来上がったときも知らせてくれるブザーをもらい、鳴ったら取りに行くところもあれば、どこに座っているかを言うと持ってきてくれるところもあって、ちょっと戸惑うかもしれません。最初に”Where
can I order food?”と確認しましょう。受け取るときも不安ならカウンター近くに席を陣取るといいですよ。
大抵のパブはキッチンが奥にあるのでどういう風に作られているのかは図りかねますが、参考までにロンドン市内のパブでは料理のメニューが同じ(内容はもちろんデザインや体裁も)ところが結構あります。つまり・・・そういうことですね。最近は料理で差をつけようとするパブもあって、個人旅行者、特に一人旅のさえない男には大変助かります。
↑料理がおいしいパブ。ここなんかは日曜の昼間なんていうとランチを楽しむ家族連れでよくにぎわっています(Trinity Bar:SurryHills
NSW)
そして、何よりほめられるのはその量。チップスやナチョスといった軽食も結構な量だし、メインとなったらその一皿で十分に腹一杯になれます。特に郊外のローカルパブやバックパッカーズなどの安宿街にあるパブはクオリティーもボリュームも満点!!
お勧めはもちろんステーキ!!チキンシュニッツェルやラムも定番ですね。もちろんUKに行ったら各種ローストが絶品だし、フィッシュ&チップスも定番中の定番。衣に使うエールには事欠きませんからね。アイルランドに行ったらアイリッシュシチューとビーフ&ギネスもお忘れなく。
それとは逆に避けたほうがいいのはパスタ。オーストラリアにはイタリア移民もいるので大丈夫ですがUK&アイルランドには「アルデンテ」という概念がありません。ソースはうまいのにパスタが・・・なんてことになります。
↑オーストラリアでなら安心してパスタが頼めます。まあ、たまに大失敗するときもありますけど・・・
パブは大英帝国のものだけにあらず・・・か?
とまあ、パブの基本はUKスタイルなのですが、黙っていないのがその他のビール大国。ドイツ、ベルギー、チェコといった国のビールが飲めるパブというのも少なからずあります。
ビールといったらまずドイツ。ドイツパブはその種類の豊富さもさることながら日本人になじみの深いジョッキでビールが飲むことができるのが一番の特長でしょうか。まじめなドイツ人が真面目に作ったマジメなビールはやっぱり重厚の一言に尽きます。種類によってはとんでもない大きさのグラスやジョッキで来ることもあり、そうでなくとも全体的に量も多いようで普段のノリで昼からコレを飲むとかなり酔っ払えますのでご注意を。
(左)ジョッキを吊り下げるのがドイツパブ。ドラフトタワーがつぼのようにくびれているのも特長(Bavarian Bier cafe:Manly
NSW)
(右)こちらはドイツ風ではなく本物のドイツのバー。ジョッキはありませんがその分UKのパブのようにも見えてきます
世界最大のビール会社を擁するベルギー。ヒューガルデンホワイト、ステラ・アロトワ、レフェといったおなじみのビールが一同に会した”Belgium
Bier Cafe”(フランス語文化圏に近いからか「カフェ」と名乗っているところが多い)はシドニーにも、パースにも、ブリスベンにもあります。パースのそれは目抜き通りのMurray
St.にあり店内もかなり広いのでおススメです。、注文を受けるとグラスをゆすいで、専用のドライヤーで水滴を飛ばしてからビールを注いでくれたのはどこでも一緒でしたね。トラピスト(修道院)ビールをはじめとする瓶ビールも充実しているのでお試しあれ。
この日は週末&北京オリンピックの開会式があって。店内まさに立錐の余地なしでした。(Brussel Belgium Bier Cafe:Brisbane
QLD)
チェコビールのパブを見つけたのはダブリン。テンプルバーのはずれの方にあり、昼夜を問わず観光客が多いこの界隈のパブの中では比較的落ち着いていて結構穴場です。日本では馴染みが薄いチェコビールですがピルスナーがメインなので変り種に遭遇することも少なくとっつきやすいとは思います。
ギネスは飽きた、でもバドワイザーやカスバはイヤ。というときの強い味方。近くにはU2がオーナーである”The Clarence Hotel”も有り升。
(Czeh Inn:TempleBar Dublin Ireland)
”Beer&Bed”のB&B。
角地にあるのがパブの特長。当然入り口もたくさんあります。そして、パブの入り口に”accommodation”の文字があったらそのパブの上の階に泊まることができます。市街地から離れたところになるとパブが唯一の文字通り”パブリックハウス”だから、旅人を迎える宿としての機能を持っているのです。もちろん部屋数は限られているので飛び込みで泊まることができるのは難しいのですが、泊まることができたら酔っ払って即ベッドに直行という夢のような生活が謳歌できます。なかなかガイドブックのホテルガイドにも出てこないので見つけにくいですが、Google
Earthなどで周辺地域眺めていると結構見つかるもんです。
UK国内ならばCAMRAの「Good Beer Guide」で探したり、さらには「Beer,bed,and breakfast」という泊まれるパブをだけを集めたガイドも出ています。ここに紹介されているパブは部屋はもちろん、リアルエールもうまいところばっかりです。またロンドン周辺ならば地元のエールブランド”Young's”が(契約パブだけですが)HPから「泊まれるパブ」 を検索することができるのでぜひお試しを。
(左)シドニー郊外にあるこのパブは泊まることもできますご予約は→こちらから。(Bat&Ball Hotel:SurryHills NSW)
(右)部屋は綺麗、エールはうまい、駅に近くて、無線LAN(無料)もあってまさに至れり尽くせり(Brook Green Hotel:Hammersmith london UK)
No Music No Life@Pub
パブの醍醐味のひとつとしてフリーでライブ演奏を聴けるということがあります。いい酒に、いい料理ときたらあとはいい音楽ということでしょう。飛躍を目指す地元の若手バンドから地元のオッサン達の愛好会までいろいろなバリエーションを楽しむことができます。大抵店先に一週間のライブスケジュールが出ているので狙って見に行くのもいいですし、たまたま遭遇して楽しむのも一興かと。ライブスペースが最初から用意されているところもあれば、そこらへんの座席に座っていきなりアコースティックで弾き語りを始める・・・何てこともあってとにかく飽きることがありません。
特にアイルランドなんかはパブに音楽はつきものらしく、店内だけでなく店先にも多くのストリートパフォーマーがその腕前を披露しています。ギター一本でライブをするのはもちろん、ほかの国に比べてバイオリンやチェロなどのクラシック系の楽器が多いような気がしますね。かく言う私もお金払ってコンサートに行くよりもこういった場所で好きに音楽を楽しんでいるタチです。
↑テンプル・バーでは夜ともなると屋内、屋外問わず音楽にあふれています。いいなぁ・・・(Oliver St.John Gogerty:Tmple
bar Dublin Ireland)
それでは皆様、今日もパブで乾杯〜♪