期間 2008年8月6日〜2008年8月10日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=いません)
↑最低気温8℃!外は寒い!しかし空気が澄んでいるから空はキレイ!!
8月6日(水)
今年の夏休みは前半5連休+後半3連休という変則スケジュールのために前半を使い、通いなれたオーストラリアへ行くことに。現地滞在が3日間なので普段の「朝出発→乗り継ぎ」ではなく、「直行便で夜発→朝着」しかも「予約はカンタスだけど機材はJAL」という今までにない新しい旅に。
そんな一日の始まりは神谷町のInterFMから始まり、そこから地下鉄日比谷線で築地まで行き魚河岸で朝飯を食べ、昼からは京成電車で立石に向かい「宇ち多”」でこれで死んでも後悔しないくらいに梅割りともつ焼きを堪能してから成田に向かった。ここでもいつも使っている成田エキスプレスではなく、今回初めて京成スカイライナーを利用した。料金が安いのは嬉しい限りだが、車内の年月の経ち具合は下町の私鉄の雰囲気を十二分に引き出してくれている。相変わらず缶ビールを持ち込んでの移動で、気づいたら成田に到着していた。ホームはJRとは線路をはさんで反対にあり、出口もほとんど変わらない場所にあるのでターミナルまでの移動もスムーズ。しかし、この時間はオーストラリアへの直行便だけでなくハワイやグアムといったリゾート路線も出発するためにまあとにかく家族連れが多い。手荷物検査で戸惑う人並み、出国審査でパスポートカバーを必死で取り外している集団、免税店でショッピングをしている人々。それらの喧騒をなるべく避けて隅っこでビールを飲みながら出発を待った。そして夜の9時にJALのB747-300に搭乗。おお、クラシックジャンボだ。
これまで飛行機に乗れば聞こえてきたアナウンスは英語、マレー語、タイ語、フランス語、ベトナム語あたりだったが、今回ばかりはいきなり日本語が飛び込んできた。旅行に行くという雰囲気がまったく湧かない。機内で飲む酒にしても日本酒あり、焼酎ありでこれからワインの国オーストラリアに行くということすら忘れてしまう(結局3日間ほとんどワインを飲まなかった)とりあえず実際に着いてみれば変わるだろうと思いつつ、いったん眠りについた。
8月7日(木)
結局飛行機の中では食事した以外は寝て過ごしてしまった。まあ昨日もバカみたいに動き回っていたから当たり前か。窓の外から朝陽が差し込み始めるとほどなくしてブリスベンに到着。飛行機からボーディングブリッジに出ると、寒い!やっぱりオーストラリアは冬だった。とりあえず急ぎ足で建物の中に入り、イミグレーションは問題なく通過。しかし、相変わらずパスポートの真ん中にある6年前のワーキングホリデーのシールビザが皆さん気になるらしい。荷物も比較的早くに出てきた。そして、問題の税関なのだが、ここでもあっさり通過。なんかうまくいきすぎて怖いが、とりあえず早めに出られたことにに気を良くしてそのまま市内へ行く電車の駅に向かい来ていた車両に乗ったら、なんとこれが逆方向で国内線ターミナルの駅で20分ほど足止めを食らう。
↑案内も何もないホームで待ちぼうけ。(写真はイメージです)
気を取り直して今度こそ市内行きの電車に乗り込みローマストリート駅で下車。思えば5年前にシドニーから来た時も長距離列車はここで止まった。ほとんど変わっていない駅を出るとこれが結構寒い!周りを見渡すとマフラーをしている人もいれば、コートを着込んでいる人もいる(そんな中でTシャツ短パン姿がいるのもこの国らしい。)日が当たっているところは過ごしやすい。スーツケースをガラガラひくのは観光客丸出しで嫌なので背負ってはみたものの「半そでのポロシャツの上に長袖シャツ」という格好でやっぱり観光客に。早いところ宿について汗を流して着替えたい一心で歩を進めた。
そして宿に到着したのだが。レセプションでまたしても痛恨の一撃をくらった。
「部屋に入れるのは2時からです」
・・・まあ、シドニーの時もそうだったことだし、仕方がない。荷物だけを預けて朝の光がまぶしい街に繰り出すことにする。
幸い、クイーンズストリートモールをはじめと市内の中心部はすでに動き始めていて、まずは朝飯。やっぱりこの国に来たからには最初はジャンクにHungry
Jack’sかRed roosterしかないと思い少し探し回ると両方とも発見。悩んだ挙句Red roosterに決定。シドニーではほとんど見ることはなかったしWhopperはもう日本でも食えるし順当な選択かと。相変らず暴力的な量のチップスに埋もれた1/4チキンを食べる。モモが来るかムネが来るかは時の運だが、今回はムネが来た。ここのチキンはモモよりムネ肉の方がうまい。
↑イモに埋もれたRedRoosterの1/4チキン。ちなみにこの写真はイモを半分くらい食べてから撮りました。
腹が落ち着いたところでヴィクトリアブリッジを渡って川の南岸の遊歩道をのんびりと歩きながら貴重な冬の日差しをびる。ここからの風景もほとんど変わっていなかった。少し暖かくなって店先で酒を飲んでいる人がちらほらと見え始めたので自分も早速一杯やることにする。頼んだのはシドニーではなかなかお目にかかれないCarlton
MID、しかし1パイントを飲み終えて本来ならば疲れも吹き飛ぶのだが、このときばかりは疲れが倍増。普段からなまっている身体がさらにきしむ。
疲れた体を引きずりながら電車に乗り近郊のミルトンまで向かう。今回の旅行の一番のイベント、QLDのアイコンともいえるビール「XXXX」の工場見学ツアーに参加する。日本からネット経由で予約を入れておいたのだが、受付で名前を言うとどうも登録されていないらしい。本来ならネットで予約すると確認の返信メールが来るとのことだが、念のために2度リクエストを送ってもそれらしきものは来ず、カウンターのオネエサンも「ちょっとあり得ないことね。」とのこと。幸い3時からのツアーが空いていて、それに申し込んだ。いったん市内に戻りローマーストリート近くのパブで昼飯を食べ、(ようやく)宿のチェックインを済ませ、シャワーを浴びて軽くひと眠りしてから再びミルトンに向かい今度こそ醸造所見学に参加。さっき親切に対応してくれたオネーサンが笑顔とサムアップで迎えてくれた。
さて、近頃は自分でもビールを造るようになったので是非ともこういった大規模ブリュワリーで基本を学んでみたくなったのだが、まず建物の中に入ると同時に仕込中、醗酵中に部屋に漂う匂いと全く同じ匂いがしてとりあえずひと安心。使用する原材料や仕込みもある程度同じものだ。(XXXXは補糖もしているらしい)部屋全体が寒いのは醗酵温度が低いラガーだから当り前として、作る量が違うだけでビールを造るという作業は多かれ少なかれ同じだということがわかった。ツアーが終了してからは併設してあるバーで試飲の名を借りてビールを飲みまくる。なんたってグラス4杯分のビールがいただけるのだ。おなじみのBitterやGoldのほかにここでしか飲めない「XXXSparklingAle」もあり工場を出る頃にはすっかり出来上がってしまった。ちょいとしトラブルはあったものの実に楽しい工場見学だった。
(左)ミルトンのXXXX醸造所。駅前がブリュワリーというのもオーストラリアならでは
(右)工場併設のエールハウスでできたてのビールを飲む。注いでくれるのは受付兼ガイドのJuliaさん
ひとくされミルトンの駅前を歩きまわってから市内に戻ると5時だというのにあたりはもう真っ暗!要所要所で今が真冬だということを思い出せてくれる。モールにあるオープンエアーのバーも心得たものでしっかりとヒーターが焚かれていた。この日の晩飯はご当地もののMortonBay
Bugを食べる。ロブスターのような、ウチワエビのような感じのもので、シンプルに炭火で焼いたものは日本人の味覚にもバッチリで大変満足した後は近くを2〜3軒ほど飲み歩いてから宿に戻る。ベッドに大の字になったらそのまま眠ってしまった。
(左)エビとイカに隠れてますがMorton Bay Bugです。ウマイ!
(右)今回は控えめに、でもやっぱり生カキって本当にすばらしいものですね〜。
↑街路樹が枯れているのをみるとやっぱり冬だな〜と思ってしまいます。
8月8日(金)
昨日がそんな感じで半ば気絶状態で寝てしまったので強烈なのどの渇きで5時半に目が覚める。ここまではいつも通りなのだが、そこからなかなか起き上がれない。毎日大酒飲んで深夜の2時に寝て朝7時に起きている生活、しかも日曜日にはそれよりも早く起きるクセにこういうときに起きられないのは何でだろう。30分ほどしてようやくシャワーを浴び、宿の横にあるカフェで朝飯を食べる。飲み過ぎの体にシンプルなマッシュルームソテーがちょうどいい。
そのあとゆっくりすることなく着替え、今回から新たに旅のアイテムとなった雪駄を突っかけてすぐさまローマストリートに向かう。今日の目的地はサーファーズパラダイス。6年前に炎天下から一転大雨に見舞われた因縁の場所だ。(ゴールドコーストCART観戦編参照)ブリスベン近郊は鉄道網がしっかりとしている、路線網は充実しているし、本数も多いし、何より車内がきれいだ。シドニーのオンボロ車両とは比べ物にならない。
最寄のネラング駅までは所要一時間。これなら日帰りでいける。電車を降りたら今度はバスを乗り継いで全部で1時間半の行程を冬の日差しを浴びながら進む。着いた先は・・・やっぱり寒い。しかし、そのまま進んでビーチに出ると遮るものがない砂浜に太陽がさんさんと降り注ぐ光景はまるで別世界のよう。
↑でも改めて写真を見るとやっぱり冬の海ですな。
夏よりも空は澄んでいるし、砂は熱くないしむしろ快適だ(その代りいったん日陰に入ると大変だが)そんなビーチを長そでのトレーナーやジャケット姿で歩きまわる人がいるのも冬ならでは。そんな不思議な光景をぼんやりと眺めながら午前中を過ごした。
そのあとはもちろん酒を求めて歩き回ることにする。ブリスベンもそうなのだが、オシャレなカフェ兼レストラン権パブが幅を利かせているので飯には困らないのだけど、「いい味」が出ているパブはほとんどない。しかし、ビールの銘柄は多いし、コースターもオリジナルなものが置いてあるし、やっぱり一杯飲んでしまえばゴキゲンだ。しかし前回ボンダイビーチで直射日光の下でのビールがどれだけダメージを与えるか身をもって痛感したにもかかわらず懲りずに大酒をかっ食らい(といっても3ptくらいしか飲んでないはずなのだが)案の定あっという間に出来上がってしまう。
↑サーファーズパラダイスのパブで見つけた驚愕の12連タップ!しかもこれが2機あってなんと24連!!
ひと休みしてからスーパーマーケットのWoolworthでお土産を買う。サーファーズパラダイスは観光地だが、ビーチのすぐ後ろにコンドミニアムが林立しているのでお土産屋などの間に普通にスーパーがある。自分もこの国に住んで毎週のようにスーパーで買い物をしていたものだが、まあとにかくなんでもサイズのでかいこと。生鮮食品も、缶詰も、お菓子もひとつ買って一人で食べたら(結構いっぱい食べても)3〜4日もってしまうくらい多い。そして食に関しては悪名高い大英帝国の血を引いているこの国はジャンクな食べ物も多い。煮込み料理はどれも缶詰で温めるだけだし、パスタや中華麺までスープと一緒に缶に入っているものまである。農産、畜産、海産物に事欠かないオーストラリアなのだから自分で作ればうまいものは作れるのに、それをしない人が多いという現実もあるのだろう。とりあえず話のネタにベジマイトとハインツの缶入りスープ(アイリッシュシチューと牛肉のビール煮とラクサ)、それに缶入りパスタを一緒に買ったエコバックに入れてとりあえずお土産の調達は半分終了。
そして午後2時過ぎにはサーファーズパラダイスを後にする。ブリスベンに戻ってからもなかなか酒が抜けず、それでもせっかくのTGIFなのだから、と街に出ることにする。
クイーンストリートモール周辺は昨日ずいぶん回ったから今日は川沿いへ。ストーリーブリッジの夜景も一緒に見ようという算段だ。で、パブをいつものようにハシゴするのだが、金曜日だということと、北京オリンピックの開会式があるということでこの世紀の瞬間を仲間と酒でも飲みながら見ようという人たちで行くパブ行くパブ立錐の余地なし。ビールを一杯手に入れるだけでも人ごみをかき分け順番を待ち、の苦労を強いられ、さらに手に入れたら今度はこの密度の高い空間で飲む場所も確保しなければならず昼間の疲れは倍増。
この日の晩飯はケイジャンスパイスで揚げたイカと、ラム肉。付け合せには珍しくクスクスがついてきた。一緒に飲んだのはクラウンラガー。この国に5回渡航して、通産で15ヶ月くらいは滞在しているにもかかわらず始めて飲んだ。ビンしかなかったし、高かったし。
満腹になった後はまた酒を飲みを繰り返して部屋に戻ると10時。昨日にもまして疲れだドッと出てしまいこの日も気絶寝。なんだかいつもの旅行と勝手が違うんだよなぁ・・・
8月9日(土)
この日も5時半には目が覚めたのだが、やっぱり体が動かない。こういうときは体の要求に応えるしかないからそのまま8時半まで眠り続ける。ちょっと起きるのが遅くなったので朝食はパスしてこの日も遠出をすることにした。目的地はイプスイッチ。ブリスベンから電車で1時間弱という非常に近い近郊都市で、かつてはQLDの鉄道産業の中心だったことで知られる。再び電車に揺られて向い、改札を出ると、やっぱり寒い。それでもローカルの人が多いからか長袖を着ている人はあまりいない。
とりあえず街を散策する。街の機能は中心部のBrisbane St.に固まっていて実に歩きやすい。さすがに平日の午前中、しかも観光地でもなんでもないところなのでパブで酒を飲んでいる人もほとんどいないのでいったん中心部を離れてこの街の最大の見所である鉄道博物館に行った。場所も見当がつかないし博物館なんてそんなに遠いところにあるもんではないからいっそのこと歩くか!なんて息巻いてみたが、おとなしくバスに乗って正解。バスでも10分以上かかった。なんでもかつての工場をそのまま博物館にしたらしい。もちろんその車両工場も日本のそれに比べればはるかに広い。
↑イプスイッチのハイレベルパブその1、”Prince of Wales”。ものすごく旧式なタップ、ドラフトビールはPot(1/2pt)のみ、前時代的な内装、コースターはなく全てのカウンターにパブマットがしかれ、店の親父はQLD州のラグビーチームのマルーン色のシャツで身を固めていました。イベント告知やそのときの写真が貼られているのもローカルパブならでは。
↑ハイレベルパブその2、”Settler's Inn”。恰幅のいい親父とおかみさんが切り盛りしていました。見えにくいのですがとにかく後ろの冷蔵庫がいい味出しています。Stubby(瓶ビール)を頼むとクーラーをつけてくれました。客は常連ばっかりですが、一見さんが来ても暖かく迎えてくれました。
ひとくされ見終えて市内に戻りさあ、パブ巡りだ!と午前中に探りを入れておいていざ乗り込んだのだが、ブリスベンのあのオシャレ感しか漂わないパブに比べてとにかくどこもレベルが高い。外観もさることながら設備の年月の経ち具合も、常連のおっさんたちも、カウンターに立つオッサンオバチャンたちもとにかく一つ一つがいい味を出していて、ブリスベンで見つからなかったものがイプスイッチで見つかって大いに舞い上がり、やっぱり飲み過ぎてしまった。やっぱりパブは大都市よりも少し離れたところの方がいいものに出会えるということだけは間違いないようだ。
帰りの電車で周囲も引くほどに熟睡してしまい、そのまま中心部を通り過ぎブランズウィックストリートにあるチャイナタウンに降り立ち、マーケットを物色してからベトナム料理屋でフォーを食べる。ことスープに入ったそばを食べるならば中華料理屋よりもこちらの方が勝手がいいのだ。ここも一巡りしてからすぐに市内へ戻りお土産さがしを本格的に始める。メインはスーパーでの買い物だが、ここでようやく探し求めていた「ビールの素」を発見。結構種類があったのだが、どの缶もだいぶほこりをかぶっていたのはどういうことだろ?クーパーズのものは通販で日本でも手に入るので、コールズのPVものと、トゥーイーズを購入。帰ってからが楽しみだ。すべてのやるべきことを終え後は飲みまくり、食いまくり。とりあえず腹は満たしておこうとがっつりステーキを食らいそのあと見つけたブリュワリーパブでいろんな種類のビールを楽しんだ。2005年にオープンしたというから比較的新しいブリューパブで、例によってタウンスビルのあそこにも勝るとも劣らないラインナップで大いにブリスベンでの最後の夜を楽しんだ。まあ、休日だからか少し羽目を外したオネーチャンたちに絡まれるのは仕方がないとして、結局帰ったのは9時。ちょうどテレビでやっていたAFLを見ながら荷物をまとめてシャワーを浴びてから今日こそは普通に眠りに落ちた。今回も夢うつつの境のはっきりしない旅行となりました。
8月10日(日)
そして帰国の日。しっかり5時半に起床、6時には出発なのだが、さすがはバックパッカーの国、オーストラリア。アイルランドの時のように「こんな時間にもう出るのかよ」ということはなくレセプションのオバチャンは笑顔で送り出してくれた。電車に乗り空港に着くと、まあ、あきれるほど日本人がいっぱい。子供連れの家族に晴れの海外旅行に舞い上がったオッサンオバハンに修学旅行生まで。半ばげんなりしつつ手続きを済ませる。そういや今までJALとかANAとかあんまり使ったことなかったしなぁ。しかし、驚くのはこんなことじゃあない!今回初めて行き帰りとも税関につかまらないという快挙(?)を達成。でも本気で英語使って口論しないとこっちも英語を忘れるんだよねぇ・・・これまでないほどの日本語に囲まれ、飛行機は日本へ向かったのでした。
ちなみに成田に着いたらケアンズからの便も到着していたらしく、家族連れは倍増。さながらディズニーランドのような大混雑となりました。