IAN-Gの無謀旅日記
ヨーロッパ大周遊〜ロンドン帰還編〜

期間 2009年10月21日〜2009年10月25日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=いません)


↑隅田川とその橋に郷愁をかきたてられるように、テムズ川とそれにかかる橋にも強い思い入れがありますな。


10月21日(水)
 いよいよヨーロッパ大陸とお別れの朝、ブリュッセルの空は変わらず青い。まずは荷物をまとめて朝飯を食べてから宿を出る。まだ時間もあるから駅まではやっぱり歩いていくことにしよう。ブリュッセル南駅まではそれほど時間もかからない。ユーロスターの改札口はほかの近距離鉄道ともタリスとも隔絶されたところにある。
←ユーロスター専用の入り口。旅の始まりはこのゲートから。

発車の30分前にチェックインを済ませるというのは何も海外旅行気分を演出するためのものではない。パスポートコントロールも必要だからプラットホームに着くまでにいくつも関門がある。出国は無難に終了。電車での出国だとパスポートに押されるハンコも汽車のマークが付いている。そしてそのまま進むと今度はUKの入国手続きもここで行う。もはやUKの入国カードで迷うこともない。さっさと書いて係に渡す。ここのイミグレーションはヒースローと比べ物にならないくらい簡単に通れた。スタンプには審査したところとしてBrusselsと書いてある。なんか不思議な感じだな。
 さて、ここから乗車まではまだまだ時間がある。それこそ海外旅行気分で2時間前には駅についてしまったからだ。こういうとき1等車というのは威力を発揮する。ユーロスターでは飛行機の上級クラスよろしく一等車利用者のためのラウンジがある。ゆったりとした広い空間、セルフサービスのバーカウンター、ネット接続などなどまさに空港のラウンジそのもの。というわけでいきなりここでビールを一本空けてネットで帰りの飛行機の予約を確認して、いよいよ乗車の時間に。一等車は座席配置こそヨーロッパのような向かい合わせだが1−2配列で座席の幅が広くヘッドレストも大きい。車内を観察しているうちにいよいよ走り出した。
 動き始めてすぐにドリンクのサービスが始まり食事のためのカートの準備もありアテンダントは右へ左へと大忙し。ちょうどお昼ごろに食事がやってきた。前菜は軽めのサラダ。メインは2品から選べ、ソーセージを選択。なかなか本格的である。ワインは赤白ロゼが選べるし、ビールもウイスキーもある。食べ終わって片付けが済んだあたりで周りの風景が一気に真っ暗になった。今まさにドーバー海峡の奥深く、英仏海峡トンネルを通っているところだ。
 しばらくして地上に出る。英語の標識、右ハンドルの車、そしてどんよりとした曇り空。おお、ついにUKに帰ってきた。そのあとまたしてもトンネルに入り地上に出たらすぐにホームに滑り込んでいく。駅名は”St.Pancras International”。早いものでもう終着駅だ。


 列車から降りて駅を出る。2階建てバス、黒塗りのタクシー、赤信号でも車が来ないと渡る人たち。これこそロンドンだ。

 地下鉄に乗る。おなじみのマーク、狭い車両、長いエスカレーター。まさにロンドンだ。

 パブに入る。ハンドポンプ、1ptグラス、ぬるいエール。もう間違いない。本当にロンドンに戻ってきた。

 早速ロンドンを感じるためにエンジェルのウナギ屋で迷わずジェリードイールを頼む。このちょっとしょっぱいゼリーも久しぶりだなぁ。
 とここまでロンドンの空気を満喫してから宿に向かう。今回は帰りのヒースロー空港まで楽なようにパディントンで確保しておいた。格安エアラインのイージージェットが展開しているホテルで、オレンジで彩られた建物はよく目立つ。室内もオレンジを基調にまとめられている。部屋はいたってシンプル。あらゆるものが有料サービスなのでただ寝るだけなら安く済み、それなりに出すもの出せばちゃんとしたサービスも受けられるわけだ。荷物を降ろしベッドに大の字になる。ちなみに駅から宿までパブは三軒もある。酒だけは困ることがなさそうだ。
 ロンドンにいるのは4日間。せっかくだからなるべく夜を楽しもうということで初日からいきなりシアターへ。今日はロンドンで今一番と評判の”Billy Eliott the musical”。音楽を担当したのはエルトン・ジョンで今年のトニー賞ミュージカル作品賞受賞作なのだそうだ。
 シアターはビクトリア駅の正面出口の真向かいにあるのですぐにわかった。先にパブで晩飯を済ませ、酒も十分に飲んでおいた。7時半の開演に合わせて劇場に入る。今回も通路側の席が取れたのでリラックスしてみることができた。ただ、結構後ろのほうだったので天井が低く、上のほうが見づらかったのはちと残念。全部見終えたらもう夜の10時半、大満足で宿に戻った。ここに着いてまだ一晩だけだがこれだけは確か。
 やっぱりロンドンは最高だ!

10月22日(木)
 高緯度のロンドンのはずなのだが、大陸よりも夜明けが早い、ドイツやベルギーでは8時過ぎないと明るくならなかったがロンドンは7時過ぎには明るくなる。そして暖かい。昼間はジャケットが要らないくらいだ。
 この宿、シンプルだけど安い、を地で行くところなので当然朝飯はない。ならひとつ外で食べてみるかとマーケットに繰り出す。小さな規模のものが色んなところにあるが今日は観光客を決め込みバラ・マーケットに行った。ここまでジョージ・インに行ったり、タワーブリッジのウナギ屋に向かうために通ったりとここら辺は結構歩いたのだが、タイミング悪くいつも週明け。まともに開いているときに行ったことがなかったのだ。
 着いてみると…まだどこも準備中。明るくなる前から忙しく動いているマーケットなんてどうやらアジアだけの話らしい。少し歩き回っていると徐々に観光客が増え、店も本格的に営業を始めた。カーバリー、つまりロースト屋が準備万端のようでここでローストポークを買ってようやく朝飯。ロンドンのマーケットの飯屋というのは農場直送が自慢だからうまい。しかも結構な量だ。それでいて安いのだから言うことない。

↑バラ・マーケットの前で料理番組の収録中。出演者の名前は”JUN TANAKA”って書いてありました。日本人!?

 昼前にマーケットを後にして、向かったのはコベントガーデン。絵にかいたような観光地で地図片手に歩き回る人たちがまあ多いこと。往来が多いところだけにイベントもやっていた。ボーダフォンのキャンペーンでクリケットイングランド代表の選手が来ていた。Twitterで制限時間内にどれだけつぶやけるか、なんて競争をしていた。こういうのUKらしくていいなぁ。
 でもここに来た目的はそんなことではなくロンドン交通博物館の方。この大都市の独特の魅力にバス、タクシー、地下鉄という交通機関がある。その歴史がよくわかるところだ。入場料は10ポンド。チケットオフィスの係員が日本人で、入口の扉には東京の地下鉄路線図が描かれている。一瞬秋葉原の交通博物館に戻ったかと思った。
 気を取り直して展示に見入る。ロンドンの公共交通の歴史は19世紀以前の馬車から始まるが、なんと言ってもメインは地下鉄。最初の地下鉄が蒸気機関車というのにも驚いたが、深いところを走るかまぼこ型の車両が昔から同じ形をしていたというのも面白い。展示車両には当時の広告や路線図がそのまま貼られていて時代を感じさせる。かなり古い車両ばかりだが結構長い間現役でいたようだ。この歴史の深さがロンドン地下鉄の魅力だろう。
 一方バスの方はといえばもはや代名詞となっているルートマスターだ。あの赤い独特なボディには愛着を感じずにはいられない。たまに街を通りかかるとこれまた見入ってしまう。しかし、ロンドンのバスはこれだけではなかった。それ以前作られたバスもみな一様にけったいな外観をしている。これが島国のなせる業か。そういや飛行機だってUKのものは変なのが多い。ミュージアムショップでお土産を少し買ってから外に出る。移動のために乗った地下鉄にこれまで以上の愛着を感じた。

↑ルートマスターにA形車両。積み重ねた歴史を感じさせず今日も元気にロンドンを行く

 ちょいと遅めの昼飯を食べてから宿に戻って一休み。荷物を下ろし、再び中心部へ。トラファルガー広場からウエストエンドをブラブラとする。パブはこの時間どんどん込み合ってくる。シアター周辺となるとまさに立錐の余地なしだ。
 で、今日見に行ったのは”STOMP”。セリフが全部わからなくともミュージカルは十分楽しめるが、こういう言葉の要らないショーならばよりリラックスできる。お決まりのモップから始まり、手拍子、足踏み。マッチ箱、ジッポーなどの小道具。ゴムホース、流し台、新聞紙もでてきて、さらにポリバケツ、ごみ箱、ドラム缶とどんどん派手になっていく。客いじりも多く、シアターが一体となってショーが進んでいくというのも面白い。約2時間のショーはインターバルなしのノンストップで、シアターを出るころにはこちらにまで熱気が移っていた。寒い夜がちっとも苦にならない。パディントンまで戻ってここからパブで飲み直し。またしても終了の鐘まで飲んでしまった。宿のドアはカギがかかっているから中から開けてもらいシャワーを浴びてそのままベッドへ。

10月23日(金)
 今日も気持ちのいい青空が広がっている。その青空につられるままテムズ川の方向へ。朝の時間帯、ロンドンブリッジなんかは地元の人が忙しく歩き回っていることも多いが、シティから延びるミレニアムブリッジはそのほとんどが観光客だ。みなカメラ片手に記念撮影をしながらゆっくりと橋を渡っている。そしてそのままテート・モダンへ。現代アートというのはわけがわからないが、なぜか好きなのでどこへ行っても入ることが多い。ましてここのようにタダならなおさらだ。今日はミュージアムショップでお土産さがしという目的もあるので、軽く見て回るだけにするか、と思っていたがそれはやっぱり無理があった。展示を見るだけであっという間に2時間経ってしまった。で、勇躍ミュージアムショップに入ったが、ちょうどいいものがなかなか見つからない。結局展示だけ楽しんで出てきたことになってしまった。ま、いいか。

↑工事中のブラックフライアーズ鉄道橋&駅。この日はほとんど写真を撮らずに終わってしまいました。

 川沿いのパブで昼飯。久しぶりにフィッシュ&チップスを食べる。ヤングスのパブなので飯の質は折り紙つき。でも魚本体に軽く塩コショウくらいしてくれればもっとうまくなるのだが・・・
 午後になって今度は朝のテートモダンと同じ目的で大英博物館に行く。こちらは展示室の真ん中のグレートコートにショップがあるのでまた展示だけ見て・・・ということはない。というよりここを本気で見てまわったら今からだと軽く日没くらいまでかかってしまう。でも一応入口付近のロゼッタ・ストーンくらいはちゃんと見ておいた。で、肝心の方はといえばここも収穫なし。ここまで来て日本の浮世絵柄のグッズを買ってもしょうがないしなぁ。結局頼るのは市内のお土産屋か。と夜のシアターのチケットを買うついでにレスタースクエアへ。ようやく一番の問題を解決することができた。あとはヒースローの免税店でいいや。
 と、今日は結局お土産さがしだったのか、ギャラリー巡りだったのかわからない一日だったが。もちろん夜はミュージカルである。今夜見に行くのは”Jersy Boys”。これもトニー賞のミュージカル作品賞受賞作らしい(2006年)。駅のポスターなどでその「赤いジャケットを着て四人並んで唄っている」姿が見事にツボにはまってしまった。TGIFなのでメジャーなショーはチケットが取りにくいかと思ったら意外に簡単に、比較的安く買えた。
 と、言うわけで日が暮れてから再びシアターのあるソーホーへ。毎晩のことだが、シアター近くのパブはどこへ行ってもすし詰め状態。座って晩飯を喰うどころの話ではない。.しかし、今日行くシアターはチャイナタウンに近いので道すがら中華料理屋が多い。しかもこういうところはちゃんと席について食べるところだからそれほど大混雑というほどでもないし、晩飯を食べるなら今しかない。しかし、わざわざロンドンまで来て中華というのもアレだよなぁ・・・と思っていたらマレー料理の店があった。ここならいいか。ここで晩飯にする。マレー語だろうが、漢字だろうが、英語だろうがメニューを見ても怖いものは何もないのだ。さすがにひと月旅をしっぱなしで白いご飯が食べたくなったので白飯にはこれ!と肉骨茶を注文。まさかロンドンくんだりでタイガービールと肉骨茶という組み合わせを食べるとは思っていなかったが、ここまで酷使した胃袋のことを考えれば、そろそろこういうのもいいか、とも思えてきた。スパイスたっぷりのスープが体中にしみわたる。
 そしていよいよシアターへ。今回の席はグランドサークルのかなり前。横の方にある貴賓席と同じような視点でステージ全体がよく見渡せる。ここまではストールでばっかり見ていたからこの視点は新鮮だ。そしていざ開演。実在するバンド(Frankie Valli & the Four Seasons)を題材としたストーリーで50年代のアメリカンテイスト満載の内容。セリフの英語もアメリカのそれだ。そして楽曲も知っている曲が多く、ハーモニーと三角ステップがいっぱい!こういうノリはまさに期待していた通りだった。大いに楽しんでシアターを後にする。
 さ、帰ろうと駅に向かうとこれからクラブにでも行くのか、薄着のオネーチャンたちがいっぱいいる。階段で座り込んでいるオッサンは大興奮だ。この時間から中心部で降りる人がこんなに多いとは、やっぱりTGIFなんだなぁ。宿の近くのパブもいつもよりも遙かに人が多い。でも、今日のところはこれでいいか。

10月24日(土)
 BBCの天気予報はよく当たる。昨日のうちに土曜は雨、と言っていたが朝起きて外を見るとやっぱり雨模様。しかし、ピークは過ぎ去ったようで徐々に弱まっている。これなら普通に歩きまわっても大丈夫だ。ということで今朝はポートベローマーケットまで行ってみる。
 ロンドンでも最大級のマーケットで、特にアンティークが充実しているのでガラクタ好きにとってはたまらないところ。ここも週末のみの開催なので行く機会がなかったがようやく来ることができた。最寄り駅のNotting Hill Gateで降りると週末の朝だというのに大勢の人が歩いている。かなり人気が高いとは聞いていたが想像以上の人出だ。
 早速マーケットを歩く。まずアンティークショップが軒を連ねていて店のうちから外からガラクタであふれかえっている。3ブロックほど行くと食料品の露店に取って代わられる。世界中の料理がここで食べられるのではないかというほど様々な屋台がある。ここで顔くらいの大きさのシュニッツェルを買ってかじりつきながらそのまま先に行くと、今度は衣料品だ。ここまででもかなり歩いているが、高架をはさんでまだまだ先がある。高架の上を地下鉄が走って行った。ハマースミス&シティ線だからもう2駅分くらいはゆうに歩いていることになる。いろんなものが野放図に売られているフリーマーケットを越えたあたりでようやく終点が見えてきた。”Golborne Road”という名前のストリートでイスラム系のコミュニティだ。歩き続けるとパディントンから伸びる鉄道路線の上を通り、その先にはなにやら怪しい感じのビルが.。高層建築の少ないロンドン中心部でその姿は一種異様だ。

↑ひときわ目立つ高層ビル。アレ、”Trellick Tower”(トレリックタワー)と言うそうです。
雰囲気が日本の同潤会アパートに近いような・・・いや、九龍城砦か?


 ここまで来るともはや観光客であふれかえっていた前半とは比べ物にならないくらい人が少ない。しかもほとんどが地元の人だ。こっちまでうっかり迷い込んでしまった観光客に道を聞かれたくらいだ。古さではどこにも負けないロンドンのなかで、ここの建物は特にいい感じで味が出ている。こういう雰囲気、好きだなぁ。
 来た道を戻るともはや身動きが取れないほどの大混雑。そこかしこから日本語も聞こえてくる。昼過ぎにはマーケットを後にした。駅からの道は人で埋まっていた。
 人ごみの中にいたので午後はちょっと静かな所へ行こう。ついてはここまでロンドン地下鉄で唯一のっていない線がある。メトロポリタン線だ。郊外にはほとんど行くことがないし、市内だとサークル線やハマースミス&シティ線で事足りてしまうからだ。そこで静かな所を求めてこのメトロポリタン線で終点まで行ってみよう、というわけで一番近くの乗り換え駅ベイカーストリートで下車。
 古いロンドン地下鉄の中でも飛びぬけて古い駅だ。駅の装飾がまさに19世紀のそれである。そして、メトロポリタン線のホームに行く。いくつものホームを抱え、地下鉄の駅というよりはむしろターミナル駅だ。実際ほとんどの電車がここ始発らしい。快速列車があり、車内も長距離列車よろしくボックス型の座席配列だ。ガラガラの車内に陣取る。
 前半は古い路線らしく浅い地下を走る。途中空が見えるのも蒸気機関車時代の名残で、ところどころかつては駅だった名残のある箇所もある。地上区間に出てしばらくは市街地の趣がある街並みだったが、ウェンブリーパークを超えたところでとたんに緑が濃くなってきた。すぐ横は2本だけのレール。長距離列車用に違いない。途中で停まる駅もあのマークさえなければ田舎のローカル駅のようなたたずまいだ。そして快速電車で約一時間。最も遠い終点、アマーシャムについた。ここはもはやロンドンではなく、バッキンガムシャーに属し、ロンドン地下鉄でたった2駅しかない最も遠いゾーン9の駅(もう一つは手前の駅で分岐するチェシャム。)でもある。ちなみに、昔はこれよりさらに先まで運行されていたらしい。アマーシャムまで電化した際、そこから先は蒸気機関車もろとも営業を終了したそうな(しかもそれが1961年!意外と最近)。ここ始発の電車はマリルボンへ行くナショナルレールの路線を含めてやっと10分に一本程度。(マリルボン発の列車はその先のAylesburyまで行く。)東京で言うと23区内から地下鉄車両のまま秩父や奥多摩に行くような感じだろうか?
 
↑ロンドン地下鉄最果ての駅のひとつAmershamはものの見事に田舎でした。こんなところにまで意欲的に延伸したメトロポリタン鉄道に拍手。


 少し駅前をぶらついてみる。ロンドン市内と変わらない顔ぶれの店が立ち並ぶ。しかし、肝心のパブが見当たらない。もっと奥に行かないと無いというわけか、ここで道に迷ったら目も当てられないのでおとなしく駅に引き返す。ちょうど上り列車が来ていたので乗り込む。今度はロンドン市内に行こうという人が多いのでそこそこにぎやかな車内だ。ベイカーストリートで遅い昼飯+ビールにようやくありつく。
 夕暮れが近くなり最後に見ておかなくては、とビッグベンを拝んでおく。次お目にかかれるのはいつになることやら。そしてそのままその足でウエストエンドへ向かい、いよいよ最後の夜のミュージカル。もちろん最後に見るのは”We will rock you”。毎回運良くいい席で見られたが今回も万全を期して前日にボックスオフィスでチケットを買っておいた。ストールのまん真ん中、近すぎず遠すぎず2階席の屋根もかからない最高の場所だった。いい席で見ると今まで見たものでも一味もふた味も違う。興奮の渦に包まれたままフィナーレを迎えてシアターを後にする。ふと振り返ると入口上の黄金に輝くフレディがこっちに向かって高々とこぶしを上げていた。

10月25日(日)
全ての旅を終えヒースロー空港に向かう。昨日がフィナーレなら、今日はさしずめカーテンコール、ボーナストラックといったところだろう。ターミナル3のヴァージン専用ビルでチェックインをする。出国の順番待ちの列を横目にファストトラックで一直線にラウンジへ。うわさには聞いていたが「とんでもねぇ」を地で行くすごさだ。

↑ヴァージンはやることはすごいが、エミレーツやエティハドのようにえげつないところがないのがいいところ。

 入ると靴磨きあり、ヘアサロンあり、バーカウンターあり、大画面シアターあり。食事は注文を取りに来てくれて、メニューも本格的。おまけにスパまである。こんなに充実したサービスだがちっとも成金趣味ではないのがこれまたすごい。ヴァージンの”Value for price”が心行くまで体感できた。搭乗時間までビールを飲みながら過ごし、A340-600に乗り込みいざ東京へ。さすがにひと月洋食ばかりだったので、機内では迷わず和食をリクエスト。さすがに寝るにはまだ時間が早いから、と映画を2本見て、PCで原稿仕事をしていたら東の空が明るくなってきた。時差ボケにならなければいいのだが・・・


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