IAN-Gの無謀旅日記
〜ヨーロッパ、ブラジル新婚旅行編-ロンドン〜

期間 2013年11月22日〜2013年11月25日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=かみさん)


↑この構図のタワーブリッジ、どこで撮るのだろうと思っていたらロンドン塔から撮るんですね。
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11月22日(金)
 やっぱりBAのヘッドレストはしっくりくるようで目が覚めたらとっくに朝食のサービスが終わっていた。かみさんは相変わらず横になって動かない。ヒースローが近くなって何とか起き上がり着陸に備えるのがやっとなぐらい。しかし、サンパウロから引き続き空港内は車椅子で運んでくれるので少しは気が楽だ。一番最後まで待ち、飛行機から降りると車椅子が待機していた。かみさんを乗せ、イミグレーションへ。クルーが使う一番端っこのレーンのガードを無造作に外しここで入国審査。どこから来ましたか?何日間滞在しますか?程度のことを聞かれただけであっという間にパス。おいおい、こんなに優しいUKの入国審査官初めてだ。普段の時もこれくらいだといいのに。荷物を受け取り市内への交通手段を得るところまでアシスタントが付いてくれた。さあ、ここからは頼れるのは自分だけである。さすがに電車で荷物をもたせるのは無理な話なのでこの国で始めてタクシーを使うことにする。ロンドンのタクシーは住所さえ言えばどこでも行ってくれるが、あいにく宿の予約の控えに住所がなく、漠然とこの方だ、と言って何とか分かってくれたのでとりあえず出発。車内が広いから荷物も余裕だしかみさんも横になれる。これは助かる。朝の8時、通勤ラッシュの時間だが、今回の宿は西部のハマースミスだったのでそれにもあまり引っかからず宿に到着した。以前に泊まったことのあるパブ兼B&Bで流石にチェックアウトの時間もまだだったのですぐには部屋に入れなかったが、その間もパブのソファーに横になれたし思ったよりも早く部屋を用意してくれて早々にかみさんを寝かす。さて自分はどうしよう。さすがに一人で外出はできないし 、自分も長旅で疲れたから付き合って寝ることにする。

↑この日もほとんど写真を撮っていないので、朝のハマースミスの風景でもどうぞ。

 目が覚めるとすでに日は西に傾いている。まだ3時だが。結局かみさんが起きられたのは6時近く。今日は晩飯の予約もしてあったがこれもキャンセル。晩飯は下のパブで食べることにする。今日びロンドンのパブは競争が激しいから酒はもちろん飯がうまいのも当たり前になってきつつある。自分はステーキ、かみさんはスープを頼んだ。二人とも昨日からろくに食べていなかったのでいつも以上にうまかった。リアルエールもやっぱりうまい。なんだかんだでパブの宿を頼んでおいて正解だった。明日こそかみさんの具合が良くなることを祈って眠りについた。

11月23日(土)
 宿の部屋のカーテンが遮光カーテンだったので朝日に気づかず、薄明かりがさしたと思って時計を見ると8時半。かみさんの体調はだいぶ良くなっていた。最悪今日ダメなら病院へ行くこともやむなしと思っていたので本当によかった。あまりギチギチのスケジュールは無理だがゆっくりなら観光もできるということなので朝飯を食べていざロンドンの街へ。ハマースミスから近いところからということで、まずはポートベローマーケットへ。かみさんはアンティークのアクセサリーや古着が気に入ったようでゆっくりと見て回る。もちろん自分もうまく流れに乗ってゴルボーンロードに行きトレリックタワーを見られたので満足した。

↑ポートベローに来たからにはやっぱりこれを撮らないと。うちのPCの壁紙(秋冬用)です。

ここからはロンドンの観光コースへ。バッキンガム宮殿からウエストミンスター寺院、ビッグベンと歩き、そこから地下鉄で8回目にして何と初めて行くというロンドン塔へ。


↑この日は天気がよかったのでお決まりの建物たちも実にいい表情です。

 何で行かなかったかといわれると特に理由も無いし、特別行こう!と思うところではなかったし、毎回の予定の候補地にも挙がらなかったのが実際のところ。多分一人旅を続けていたら今後も行かなかったと思う。いいきっかけができた。
 土曜日ということで観光客がまあ多い。そして入場料の高さに目を白黒させた。大人22ポンド、寄付が含まれているとはいえ高いなぁと思ったが、展示内容はそれも納得のものだった。ここの一番の目玉である王冠をはじめ戴冠式に使われる品物の数々は目もくらむばかりだし、甲冑のコレクションは中世のヨーロッパを知る上でとても興味深い。というかアレでよく戦えたな〜のというのが率直な感想。参考出展で日本の鎧と刀もあったが、こちらのほうが同様に重そうとは言えまだ楽そうだ。だってあの左腕が固定されたあたりなんてすごいきつそう。
 UKは現代も魅力的だが、歴史を見返すとさらに魅力が増してくる。いい勉強をさせてもらって今日の観光はひとまずこれおでおしまい。

↑ロンドン塔の向こうに見えるのはガーキンビル。中世と現代が絶妙に混在している街、ロンドンの魅力はこんなところにも。

 夜はウエストエンドでミュージカルだ。見るのはもちろんWe Will Rock You。自分はこれで8回目だがかみさんもクイーンは好きだというのでこれはぜひ見せてあげたい。しかも今週の日曜日はフレディ・マーキュリーの命日。明日は休演だし、この日は何かある!と勝手に想像して日本にいるうちから早々にチケットを手に入れておいたのだ。 勢い勇んでレスタースクエアに降りると人の数が明らかに違う。土曜日の繁華街を甘く見ていた。いつもショーの前に飯を食う席数の多いパブも満席。とにかく空いているところをとシアターまでの道のりを歩いた結果、ドミニオンシアターの隣の隣にあるフレンチカフェ風の店が入れたのでここで晩飯。かみさんはまだまだスープメインだが自分が頼んだマッシュルームのクロスティーニもムール貝も食べられたので一安心。ここでロゼワインを頼んだつもりが独鈷でどう間違えたのかマルワイン、つまりホットワインが出てきた。明らかに間違いだが、今まで気になっていたことだし、ちょうどいいやと飲んでみる。うまい!大変満足してシアターへ。結果的にサプライズはなかったものの、この日にわざわざ見に来る人だから皆間違いなくクイーンのファンだろうし、とにかくノリが今までで一番いい。今日も最高のショーを見ることができた。宿に帰るのは10時過ぎ。かみさんは先に部屋に上がり自分はパブでもう一杯こういうのができるのもいいよなぁ。

11月24日(日)
 今日は本当なら電車で遠出でも、と思ったのだが、金曜日の予定が丸々潰れてしまったし、かみさんを疲れさせてもいけないのでロンドンにとどまることにする。しかし、日曜日にロンドンで遊ぶならイーストエンドだ。宿はバリバリのウエストロンドンだがな。本来なら朝早くからコロンビアロード、と行きたかったが、イーストロンドン線がをふくむオーバーグラウンドがほぼ全線運行停止だったのでスピタルフィールズから始めることにする。ここでもかみさんが雑貨を見て回っているのが楽しそうだ。端から端ま見終えてからブリックレーンへ。

日曜日のブリックレーンはマーケットが出ていて非常に活況である。昼飯にここのエスニックフードを食べるために今日は朝飯を抑えてきたのだ。屋台は室内にも多いのだが、室内のイートインスペースは当然ながら常に満席状態。空いているのは外のテーブルばかり。寒空の中で食べるのなら暖かいのがいいやと自分は牛肉のフォー、かみさんはタイ風のローストダックヌードル。あったかいスープが身に沁みる。しかし、食べ終わってもまったく体が温まらない。やっぱり歩いて体を動かすのが一番である。

↑ピカデリーサーカスに現れた巨大スノードーム。最初トランポリンかと思った。

 イーストエンドを出てからはピカデリーサーカスでお土産探し。流石に仕事を二週間も休んでいるのだからお土産をあげる人も多いのだ。この周辺はユニオンジャック柄の雑貨や、ビッグベンの置物などなど「ザ・ロンドン土産」を売っている店が多くここなら品定めに悩むことなく買い物ができる。普通この手のお土産屋に世話になるのは最初の訪問時くらいなものなのだが、今回は量も多いので厄介になることにする。キーホルダーや小さな缶入り紅茶などを見つくろい、ブラジル土産と合わせてこれでお土産の調達は完了。
 晩飯は再びイーストエンドへ。前回行って気に入ったOld Street駅近くのパブ”Princess Of Shoreditch”へ。かみさんに話もしないで勝手に予約して朝怒られたが、店自体は気に入ってもらえたようだ。早く着き過ぎてしまったのでテーブルが用意できるまでカウンターで飲んでからいざ夕食。日曜日なのでローストメニューである。肉がうまいのはもちろん野菜もグレイビーもヨークシャープディングもどれもうまい。ローストラムだったのでつけてもらったミントソースもやっぱりうまい。ビールも地元ロンドンのクラフトビールが揃っていてどれを飲もうか迷ってしまう。結局ここでは3パイント飲んですっかりいい気分に。帰りは万が一ピカデリー線でアーセナルのサポーターとバッティングしないようにハマースミス&シティ線でトロトロ帰ってきた。車両は広いし席はガラガラ。ゆったり帰ることができた。

11月25日(月)
 長かった旅もいよいよ今日が最終日パリ、ロンドン、サンパウロ、リオデジャネイロ、イグアスの滝といって再びロンドンへ。そして今夜東京に帰る。そんな最終日は余計なことはせずかみさんの最大の希望であった大英博物館へ。自分は今から6年前、初めてロンドンに行った時に行ったっきりだ。ホルボーンの駅からどちらにけばいいのかも思い出せない。まあ、少し迷った挙句裏口から入館というなんともしっくりこない形で博物館の中へ。月曜日だというのにかなりの人である。しかも社会科見学に来た小学生も加わりまあ賑やかなこと。今回ロゼッタストーンに始まりアッシリアの彫刻、ミイラなどを重点的に見て回る。なかなかいいペースで回れていたのだが途中でいきなり火災報知器がなり出し、入館者全員が外に誘導されるという大変貴重な経験をさせてもらった。

↑館内全員退館を強いられたので正面入り口が一気に人ごみに。まあめったに経験できないですから。

 仕方ないのでここで近くのパブで昼飯。チャンスはここしかないとばかりにフィッシュ&チップスにした。これが大正解。衣がサクッとしていてちょっとやそっとのモルトビガーではフニャフニャにならない。タラもちゃんと下味が付いていてそのままでもうまい。最後の最後にいい飯に出会えた。ここでもロンドンのクラフトビールが幅を利かせていたのでずいぶん飲み過ぎてしまった。

↑ロンドンローカルの新興ブリュワリーがグイグイ来ています。いつまでもLondon Prideばっかり飲んでたら流行に乗り遅れますぜ。

 パブを出た頃にはボヤ騒ぎも沈静化したのか大英博物館は再び入場ができるようになり、ミュージアムショップを回ってから外にでる。あとはホルボーンの駅前にあるスーパーでお土産を買い足してタイムアップ。宿に戻り荷物を受け取ってから空港へ。ハマースミスからだとわざわざパディントンまで行ってヒースローエクスプレス・・・なんてのは遠回りなのでそのままピカデリー線でヒースローを目指すことにした。トロトロ乗って30分ほど。チェックインをして出国したらすぐに搭乗時間。帰りもANAだが今度はB777-300ERの最新機材。エコノミークラスでもシートが後ろに倒れ込まない優れものだ。順調に飛行を続け、機内明かりが徐々に暗くなってきた。そろそろiPadもしまおうか。
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