IAN-Gの無謀旅日記 スペインGP&モナコGP観戦編
〜おまけの大阪編〜

期間 2010年5月22日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=いません)

↑このノリ、東京ではなかなか見られません。異国は意外に近くにありました。


 ルフトハンザは本当にドイツを体現している。とにかくキッチリカッチリで飛行機の操縦も実に正確無比だ。総飛行時間11時間ちょい、乱気流でシートベルト着用のサインが1回も出なかったのだ。軽く3時間ほど寝てからはPCを開いて日記を見直すなどして過ごす。出発のときに離陸ラッシュにはまってしまったために30分ほど遅れてしまったが、着陸も実にスムーズで無事に関西国際空港に着いた。なぜ、わざわざ大阪行きの便なんか選んだのかというと、コレは単純にマイルの特典航空券では成田行きの便が軒並み埋まってしまっていたから。あの噴火騒ぎの中でもヨーロッパ行きの航空券が順調に売れていたのには正直驚いた。

 手荷物をまとめて、ボーディングブリッジを渡る。ここでよく地上職員が掲示板に名前を書いて呼びかけている光景は飛行機に乗っていれば別段特別なものではないのだが、今日は違った。よくよく見ると・・・

自分の名前が書いてあった。

 この時点である程度は予想がついた。そして名乗り出ると、案の定荷物がフランクフルトで積まれずに置き去りにされていた。ヒースローの地上職員も正確にこの荷物の流れを説明できなかったのでそれもそうだろう。人生初のロストラゲッジである(ただの積み忘れだが)。ラゲッジクレームのところでANAの地上職員のオネーサンが代理通関と東京までの配達の手続きをしてくれた。
 思いがけず重い荷物もなくまり、極めて軽装備で空港を出る。しかし、問題は山積みだ。まず、ここから一体どうすれば大阪市内に出られるのかサッパリ分からない。分からないときには駅に向かうのは日本も世界も一緒なので行ってみると、成田と同じようにJRと私鉄、南海が乗り入れていて好きな方を選べるらしい。あんまり寝ていないので思考能力がかなり落ちているが、中心部に近い方を探したら南海は終点がなんばなのでコレなら寝過ごすことも迷うことも無いのでこちらに決定。特急電車も出ているらしいが、どれくらいの時間で行くのかもわからないし、成田より新しい空港なのだからそれより時間がかかることは無いだろうと急行列車で向かう。なんばの駅まで1時間近くかかって到着。アナウンスが日本語なのにもかかわらずまだ外国にいるような気がする。そりゃ飛行機で来たのだからしょうがないか。ということは普通に羽田→伊丹で飛行機移動をしても同じ感覚になるのだろうか?
 町に出てみる。初めて訪れる都市だからというのもあるが、十分外国の空気だ。数時間前までいたロンドンの方がよっぽどホームだと思えるくらい。本場で聞く大阪弁も十分外国語の雰囲気が漂う。頭の中では

分かる >>> 英語>大阪弁>フランス語>スペイン語 >>>分からない

くらいの思考回路になっている。

↑おお、この風景テレビで見たことある!次ここで大阪市民が飛び込むのはいつになることやら


 そんな外国気分を味わいながら、まずは道頓堀に行ってみる。大変貴重な東京の下町出身のタイガースファンとしては優勝したら飛び込むところとして有名な場所。グリコの看板など優勝の瞬間に映し出される風景がまさに目の前に。この派手さ加減もやっぱり新鮮に映るし、当然観光客も多い。
 ふと視線を左にやると行列ができている。よくよく見るとH&Mだった。ヨーロッパにいるとユニクロと同じ感覚でどこにでもあるので、もちろん行くときもユニクロ感覚。この行列で少しここが日本だということを思い出した。いやな思い出し方だなぁ。
 
 ひと通り歩いて次の目的地に行く。とにかく身体が疲れを感じる前に動き回らなければ、ということで地下鉄に乗り通天閣を見に行く。車内を見渡すとそこは普通の休日、という感じ。しかし、一つ違うのは競馬新聞+缶チューハイのオッサンがOKということ。ロンドンやシンガポールは車内での飲酒は禁止(シンガポールは飲食そのものが禁止)だし、東京だって花火大会やお祭りなどのイベントがあるときに運がよければ見られる程度だが、ここでは珍しいことではなさそうだ。

↑通天閣って単体で撮るよりもこうやって撮った方が「らしい」ですな。飲み屋も昼間からエンジン全開。 

 なんとも大阪らしい建物だが、どちらかというと周りの雰囲気がそれを引き立たせている。だって、東京タワーもエッフェル塔も周りは公園だもの。すぐ下まで飯屋が所狭しと並んでいるのはここくらいのもんだろう。この周辺、新世界やジャンジャン横丁などは今ではすっかり観光地になってしまったものの魅力的なところだ。東京の下町とも通じるところがある。せっかくなのでここまで来てただ歩くだけなのはアレなのでジャンジャン横丁の飲み屋で串揚げと土手焼きをいただくことにする。客席よりも厨房の方が広いくらいのところばっかりで、さすがにカメラを出す空気ではないが、その空気が実に楽しい。
 最近は東京でも串揚屋が増えているので「ソース二度づけ禁止」のような言葉もだいぶおなじみになったが、さすが本場だけあって「ファッション」という感覚は微塵も無い。もちろんこういう所なので午前中だろうがなんだろうが酒飲んでいる人たちばっかりだから自分もビールで。ここで少し体力を回復するが当然まだ眠いまま。気温はぐんぐん上がる。

 大阪環状線に揺られて次に行ったのは鶴橋。目的はもちろんテレビでもよく出るマーケット。大阪随一のコリアンタウンだけあって、とにかく韓国料理関係の店が多い。焼肉屋が店先でチヂミ売っていたり自家製のキムチがものすごい種類売られているのもさることながら、魚屋へ行けば干鱈がいっぱい売っているし、肉屋に行けば内臓のオンパレード。洋服屋でもショーウインドウには朝鮮半島の民族衣装があってまたしても日本であることを忘れてしまい旅行者モードに。

↑かなりテンション上がっていたのですが、疲れていたんでしょうねぇ。写真がほとんどボケていました。その中から見られるものを。

 品揃えにおいては香港の男人街、人が通る隙間もほとんど無い密集ぶりはサイゴンのベンタイン市場。雑多な店がランダムに並ぶ様はクアラルンプールのチョウキットのマーケットに喩えられるほどだろう。東京からすっかりなくなってしまった 「アジア」の空気がここにはしっかりと残っていた。
せっかくだから何か買おうかと思ったのだが、チヂミ買うにはさっき串揚げをしこたま食べてしまったし、これから新幹線に乗るのだから内蔵系はもちろんのことキムチだって少々つらい。それに気付かなければいいのに「まあ、新大久保で買えばいいか。いや、錦糸町で十分だな。」と思ってしまったので結局何も買わずに出ることにするが、この出口を目指すだけでも一苦労。駅に向かっているかと思ったらまったく逆方向だし、進んでも進んでもアーケードは続くしでなかなか出られない。この市場、間違いなく八卦陣を元に作られているに違いない。せっかく回復した体力をすっかり使い果たしてしまった。
 鶴橋を出たのは午後の2時近く。もう移動のために電車に乗ってもまともに立ってはいられないし、座ったら座ったで気付くと眠ってしまうし、さすがにもうこれはダメだと東京へ帰る決意をする。まあ、そんなに大仰なものではないが。進路を新大阪に変更。

↑N700系新幹線。これ撮ってちょうどSDカードが容量いっぱいになりました。旅もおしまい。

 自動券売機でさっさとチケットを買い、ホームへ向かう。新幹線に乗るなんて4年ぶりだから柵付きのホームも新鮮なら車内も新鮮だが、考えられるのはそこまで。乗ってすぐ眠ってしまい途中名古屋あたりで一度目が覚めたものの、また目をつぶったら次に目が覚めると見慣れた東京の風景に。あ〜あ、帰ってきちゃったなぁ・・・
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