IAN-Gの無謀旅日記 スペインGP&モナコGP観戦編
〜ロンドンの休日編〜

期間 2010年5月17日〜2010年5月21日
(行ってきた人、文、写真=IAN-G 同行者=いません)

↑とりあえず撮ったビッグベン。以降まっとうなロンドンの観光スポットはほとんど出てきません。足唐酢”

5月17日(月)
 興奮と熱狂に包まれたモナコGPから一夜明け、ニースの街も落ち着きを取り戻した。昨日のうちに飛行機や電車で家路についた人も多いだろう。しかし、飛行機は高すぎるし、夜行列車に乗るにしてももうクシェットには二度と乗りたくないのでおとなしく月曜の昼間に移動することにした。

 朝、宿をチェックアウトする。宿の親父はこちらから切り出す前に「出発までの間荷物は好きに置いて行ってくれ」と言ってくれたのでお言葉に甘えて手ぶらで街に出る。観光地であることが日常のニースは月曜の朝というのに人が多い。昨日からの流れで引き続きニースでバケーションの人も、ハイシーズンが終わるのを見越してやってきた人もいるだろう。海岸沿いの通りはジョギングやサイクリングを楽しむ人でいっぱいだった。
 午前中はまるでバスクリンを入れたような真っ青な海を見ながら海岸沿いを散歩する。次来るのはいつの日のことやら。次はゲストで招かれてクルーザーから・・・だといいなぁ。
 お土産さがしはスーパーや観光土産の店で適当に見繕っていく。アンティークマーケットもやっていたので冷やかしで見て回ることに。前回来た時もやっていたが、アクセサリーや食器など持ち帰るのには不便なものが多いのだが、その中で昔の広告ポスターを扱っている店を発見し、一枚いいものを見つけたので購入。「2枚買ったらおまけするよ!」とも言われたが、財布の中の小銭は3ユーロ。一枚分の金しかない。札はできるだけポンドに両替したいからもう使いたくないし、小銭はこれ以上増やしたくないので一枚だけにする。このことで悩んでいたら店の親父が「ネットでも売っているからよかったら見てくれよ」と言ってくれた。

 昼飯に海の幸満載のピザを食べ、一息ついたらそろそろ出発の時間が近づいてきた。急いで宿に戻り荷物を持って駅に向かう。13時35分発のパリ行きTGVは人の入りはまあまあ、今回も向かい合わせ席にはならず、隣に人もいないので開放的だ。順調に地中海沿いを走り始めたのだが、ものの一時間もしないうちにまたしても電車が止まった。

↑”地獄行き電車” 再び。右の風景のまま一時間待たされました。

 どうやらフランスの鉄道は徹底的に嫌がらせをしに来たようだ。最悪トゥールーズの時のように途中で降ろされ延々待たされた挙句、さらに代替で乗った電車まで止まる、という最悪の事態も覚悟した。ある意味その日のうちにロンドンに行かないと決めたのは正解だった。およそ一時間ほど待たされてからようやく電車が再び動き出した。そこからは大きなトラブルもなく行けたのでビュッフェカーでビールを飲み、PCを取り出して日記を書いたりして過ごす。それにしてもフランスの内陸部というのは車窓に全く変化がない。行けども行けども畑が続くばかり、これ本当にパリに行くのか?と思うくらいひたすらに畑の真ん中を突っ切っていく。そんな地獄行き電車も日が西の空にだいぶ傾いたあたりでようやく都市部に入って、リヨン駅に着いたのは定刻より一時間半遅れの8時45分。長旅でへとへとになった体をひきずり北駅に向かい、窓口の行列に加わり明日のユーロスターのチケットを手にいれてから宿に入る。荷物をおろして街に出て晩飯を食べる。まあ町といっても北駅の前なのだが。またしてもとなりの席が日本人だった。今回このパターン多いなぁ・・・
 宿に戻るともう11時。明日の朝も早いことだしさっさと寝ることにする。

↑やっとのことでパリ・リヨン駅に到着。電車が1時間遅れると3割料金が帰ってくるそうですが、日本に帰ってしまったので申し込むのも面倒くさい。

 「仏の顔も三度まで」という言葉にあてはめるとフランス国内ではとっくに仏のような穏やかさは使い果たしてしまった。どこに行ってもすぐ現地人と間違われるほどになじめるのだが、ここフランスだけはどうも相性が悪いようだ。まあ、いいか。明日はもうロンドンにいることだし。
5月18日(火)
 目覚ましより早く7時前には起きる。これからロンドンに行くのだ。パリとは一刻も早くおさらばしたい。宿を出て徒歩で北駅まで向かう。ユーロスターに乗るまでの流れはすでに経験済みなのでここでまごつくこともない。パスポートコントロールもヒースローに比べれば格段にゆるい。ただ、さすがに真っ黒に日焼けして、ヒゲも伸び放題にしているとやっぱり怪しまれる。係員が年配の人でよかった。

↑完全アウェーのパリ北駅からたった2時間でホーム同然のセントパンクラス駅へ。ユーロスター万歳!

 フランスにいる間、電車で痛い目にあった反動から一等車に乗ってしまった。格安チケットなのでラウンジは利用できないが、席は広いし、ちゃんと食事のサービスもある。そして座席も1列向かい合わせの席でこの旅一番の快適な移動となった。そうして今度こそ時間通りにセントパンクラス駅に到着、晴れてロンドンに上陸した。まずは両替。財布の中には12ポンドしかない。残ったユーロと以前部屋の大掃除のときに出てきた、15年前に行った時のカナダドルを160ドル分窓口に出す。係りのオバチャンがものすごい懐かしいものを見たとばかりにテンションが上がっていた。これでも旧札だろうがややこしい事態になりそうなのでさらに古い札は出さずにとっておくことにした。旅行用の財布にはそんな感じで眠っている札が実は結構あったりするのだ。
 早速地下鉄に乗る。今回も宿はパディントンでとったから早速新しい運行形態になったサークル線に乗れる。キングスクロスからパディントンに向かうと停車するのがハマースミス行き、離れた方にある駅に止まるので実は不便になったかもしれない。手前のエッジウェアロードで乗り換える。宿は駅の並び、表通りなので分かりやすい。階段を上ったり下りたりする迷路のような建物もロンドンらしくていい。早速荷物を置きパブへ直行する。どんな青空の下で飲むビールもリアルエールにはかなわない。一気に1pt飲んで気分よくなったところで再び地下鉄に乗り込む。

↑古ぼけた地下鉄、パブ、リアルエール。この魅力、他の国にはなかなかまねできまい。

 ロンドンに来るのもこれで4回目。一通りの観光はほぼやったので今回は普段とは違ったコースでロンドンを楽しんでみることにする。というわけでまずはホワイトチャペルで降りてイーストエンドを歩くことから始める。駅前にマーケットが立ち、売っているものもインド、アラブ系ばかりで、後ろにうっすらガーキンビルがなければここがロンドンとは思えないくらいエスニック化している。英語はあまり聞こえず、女性は9割方スカーフをしている。チャドル、ブルカの人もかなりいるので写真も撮りにくい。そしてこの周辺、心なしかパブが少ない気もする。少し奥まったところまで行かないとなかなか見つからない。ムスリムの皆様は酒飲まないからしょうがないか。飯屋も当然その系統で牛も豚もなく、鶏肉がメイン、もちろんHALALだ。

↑イーストエンドの入り口、ホワイトチャペル。クラシックなロンドンの下町にエスニックカルチャーが絶妙に融合しています。駅もいい味出してます。


一通り歩きまわってホワイトチャペルの駅に戻ると改装中だったイーストロンドン線が復活していたので早速乗ってみる。ロンドンのオーバーグラウンドとやらには乗ってみたかったのでこれは好都合だとすぐにホームへ。数日前に営業を再開したばっかりだったので駅も車両も新しくまだきれいだ。駅舎は古い設備をそのま流用しているところもあるが新駅はどこもピカピカ。何年でほかの駅のようになるかな?降りてみると駅前はやっぱりどこも変わらずマーケットが立ち並んでいる。しばらく少し中心から離れた所を歩きつづける。バスを多用し、今日は電車も地下鉄ではなくオーバーグラウンドをはじめとするナショナルレール路線をメインに使う。どれもオイスターカードで乗れるので切符を買う手間もない。

↑市内を走るナショナルレールは観光客には縁遠い存在。地下鉄に慣れてから乗ると、また違ったロンドンが見えてきます。

 少し日が傾き始めた夕方、今度はビクトリア駅に向かいそこからテムズ河方面にずんずんと進んでいく。チェルシーブリッジに着くころにはお目当てのバタシー発電所が見えてきた。戦後に立てられた火力発電所だが、今は使われておらず廃墟になっているロンドンの現代建築遺産で、大都市の中心部に不自然にそびえる4本の大きな煙突は存在感抜群。今のところ使い道がないのが残念、だが、こわすのはもったいなさ過ぎる。ピムリコまで川沿いを歩くと様々な角度からこの巨体を眺めることができて結局1時間以上歩き続けてしまった。

↑バタシー発電所。ビッグベンと共にテムズ川にたたずむその姿は、ある意味英国病の痕かも。

晩飯はもちろんパブで。サマータイムなので日没は9時半ごろ。初日を存分に楽しんでへとへとになったところで宿に戻った。
 
やっぱりロンドンが一番だなぁ。

5月19日(水)
 昨日はしゃぎ過ぎて歩き過ぎたからかいつもより遅い8時に起きる。外はいい天気なので出かけない手はない。シャワーを浴びて、書きかけの日記を仕上げ、宿の朝飯をパスしていざ出発。まずはこの太陽をぞんぶんに味わうべくパディントンからひと駅、Warwick Ave.で降りてそこから運河沿いを歩く。柵がなくてすぐ横が水面というのがロンドンの運河の特徴で水と緑を身近に感じることができる。当然ジョギングやサイクリングをする人も多い。今日のような陽気ならさぞかし気持ちいいことだろう。そのまま進むと緑の陰から高層ビルが顔を出し始めた。ロンドン現代建築の傑作、トレリックタワー(Trellick Tower)だ。
 
↑大都会で、息苦しい印象も否めないロンドンのリラックススポットが運河。歩き続けるとお目当てのヤツが見えてきましたよ。

 前回ポートベローマーケットに行った時、その西端から見えた奇妙な形のビルを見つけ、後で調べたらいろいろな意味で有名な建物らしい。その時は曇り空だったこともあり1、2枚カメラに収めただけだったが、抜けるような青空の下今日はひたすらに撮りまくった。様々な角度から撮るべく周辺を歩くといいこともあるもので、ウナギ屋を見つけた。まだ開いていないが今日の昼はここに決定。

↑独特な形状で見るものをひきつけるトレリックタワー。周りに高い建物が無いのでその存在感はまさに圧倒的!


 ウナギ屋が始まるまでの間に地下鉄で移動し、シェパーズブッシュ・マーケットへ。同名の駅が最寄りなうえに駅を出るとすぐ目の前で迷うことはない。アメ横ばりに高架下に店が立ち並び地元の生活に根差した市場のようだ。一眼片手の観光客もちらほら。店をのぞくと相変わらずのエスニックマーケットで、もはやロンドンということを忘れさせてくれる。というよりここまで来ると「ロンドンらしさ」というものの基準もわからなくなってくる。

↑高架下で闇市の雰囲気すら漂うシェパーズブッシュ・マーケットではタロイモやキャッサバまで売っている八百屋もあります。
 ウインブルドン現象は食べ物にも確実に波及していました。


 ひと時の軽い異国体験をしてから昼前には再びトレリックタワーのおひざ元へ行き、先ほどのウナギ屋へ。あいにくウナギはこの日はなかったのでパイ&マッシュにする。食べてみたいと思ってはいたけど、ウナギの魅力の前に頼む機会がなかなか回ってこなかったのでこのチャンスにありがたくいただく。まあ、結局ウナギも無性に食べたくなったのでわざわざエンジェルまで行ったのだが。
 午後は少し遠出。ロンドンの電車を制覇する上で一番の難関であるトラムリンクに乗るべくクロイドンへ行くことにする。大ロンドンの行政区の中でも一番端っこに位置する、東京でいえば23区を出て吉祥寺あたりに相当するといえば適当だろうか。普通にナショナルレールで行けるがスタート地点がエンジェルなのでノーザン線でユーストンまで行きオーバーグラウンドにのってWllesden Jct.を経由し、West Bromptonからはディストリクト線に乗り換えて、終点のWimbledonからいざトラムリンクへ。駅のホームの一番端っこに停車する2両編成のトラムはこれまで乗ってきた色んな都市のものと大きな違いはないが、走り出すと専用軌道をもっぱら通るので結構速い。車窓からの風景は住宅は少なく、小さな工場、ガソメター、ゴルフ場もある。まあ、それくらい都会からは離れているところなのだろう。併用軌道の区間はクロイドンの中心部だけでスピードと利便性がうまく両立している。ウエストクロイドンで下車して街歩き開始。

↑さすがに、わざわざトラムリンクに乗るためにクロイドンまで来るのは相当物好きだと認めざるを得ませんな。地方都市の雰囲気もありぶらつくには最適。

 店舗が立ち並びモールもあるなど街の中心はかなり開けているが、その空気はゆるくロンドン中心部ほど垢ぬけてはいない。学校帰りの中高生や子供連れが多く、停車中のトラムの前をバンバン横切る光景がよく似合う。パブに入っても都会的雰囲気は感じられず混雑とは程遠い空間でそれでいてエールが本当に安い!つい調子に乗って飲み過ぎてしまったところでロンドンに戻ることにする。イーストクロイドンからナショナルレールに乗ると30分以上かかった。
←パブもゆるさ満点!リアルエールの種類はロンドン市内とほぼ同じでした

 夜はいつものようにウエストエンドでミュージカル。「今ロンドンで一番!」の宣伝文句につられ、”Grease”を見た。青春学園ドラマの趣で、楽曲は1950年代風のロック中心。古き良きアメリカというのはUKの人たちもなにか共鳴するものがあるのだろうか皆さんノリがいい、学園ものということもあってか客層も家族連れや若い人が多かった。存分に楽しんで劇場を出たらまだ9時半、ようやく空は暗くなってきたばかり。パディントンでもう一杯飲める時間は十分にある。人ごみの中にいるとのどが渇くのでリアルエールを頼むはずが、思わずカ―リングを頼んでしまった。
5月20日(木)
 この日も少し遅めに目が覚める。天気は曇り。ある意味ロンドンらしいとも言える。今日も宿の朝飯はパスしてパディントンの駅から行動開始。まずはバンクの駅まで向かってDLRにのる。最初にロンドンに来た時も乗った覚えがあるのだが何せシティだのウエストミンスターだの何のことなのかわからない頃だったので乗ったこと以外は全く覚えていないのだ。地下鉄の終点にも行き、オーバーグラウンドにも乗り、トラムリンクにまで乗ったのだから今度こそは大丈夫と乗り込む。
 目指すはグリニッジ。自動運転の車両は見晴らしも良く、その風景もカナリーワーフのようなオフィス街もあればガソメターがそびえる郊外の街もある。降り立ったグリニッジは小さくまとまっているが、人の流れはその雰囲気に似合わないくらい多い。観光地であることを思い出せてくれる。早速グリニッジ天文台に向かうと、天文台だから当たり前なのだが丘の上にあり、曇り空とはいえ登り切るのに少々汗ばむほど。そんなこんなで本初子午線とご対面。線が一本引かれているだけだがここを境に東経、西経が分かれているのかと思うと少し感慨深い。子午線上からの風景をカメラに収めてそそくさと後にする。観光客に加えて社会科見学の学生が大挙してくるので多勢に無勢だ。

(左)この線こそグリニッジの本初子午線。人が立っている左側は東半球です。
(右)本初子午線の真上から撮影。O2アリーナがほぼ真ん中にある!


 駅の方に戻ると路地裏でマーケットがあるのでのぞいてみることにする。お土産になりそうな工芸品を扱っているところが多く冷やかしつつ歩くと奥の方では各国料理の屋台が立ち並んでいた。パブ飯もいいけどたまにはこんなのも、ということでそのうちのタイ料理の店でグリーンカレーを買って昼飯とする。大盛りついて値段はたった4ポンド、安い!

 腹も落ち着き市内に戻るかと再びDLRに乗り込む。カナリーワーフの駅でジュビリー線に乗り換えれば自在に移動できるが、ちょうどホームに来たという理由だけで反対側のストラトフォード行きに確信犯的に乗り間違えてみる。平日の昼間の下り線の車内は市内の喧騒がうそのようにガラガラ。車内を走り回ろうが、つかまり棒で懸垂しようが、もちろんやらないけど、その気になればやりたい放題だ。終点ストラトフォードについてからも勢い止まらずここからさらに先へ行くセントラル線に乗り換える。目指すはもちろん終点のエッピング。ロンドン地下鉄の背の低い車両が地上区間を走るだけでも十分に違和感があるが、住宅地も抜け周りが畑や牧草地だけになるとこれはも完全な異世界を走っているような錯覚を受ける。車窓から草をはむ牛ぐらいはもう当たり前。終点が近くになると菜の花が咲き乱れる黄色いじゅうたんが窓越しに飛び込んでくる。とどめにとっくに廃車になっている地下鉄の旧型車両の出迎えでエッピングに到着した。降りた客、自分を含め5人。

↑またしてもなんとなく来てしまいました。セントラル線東行きの終点、エッピングです。田舎の風景に小断面車両がなんともミスマッチ。

 ここはもうグレーターロンドンから出て隣のエセックス州のエッピングフォレストという地域に属している。以前行ったアマーシャムもそうだったが、おなじみのマークとオイスターカードの読み取り機がなければ完全に田舎の駅だ。早速改札から出て街に出てみるのだが、中心部は駅から歩いて10分ほどのところにある。そんなところまで忠実に田舎なのだ。

↑エッピングの街。ここまで駅から徒歩十分。しかもこの通りの100メートルくらいで終わっています。パブは2軒、上出来!

 さすがにここまで来ると人種は様々だが、イーストロンドンのようなエスニックコミュニティはなく。落ち着いた雰囲気だ。パブも見つけたので勇躍入る。こういう地方のパブにこそいい味の出ている店を見つけられるものだが、外見とは裏腹に手入れの行きとどいたきれいなオシャレパブが多かった。ちょっと残念ではあるがリアルエールは地元のものなのでそれを飲み歩いてから駅に戻る。わがままなもので、静かな街にいると今度は喧騒が懐かしくなって、シティで下車。そろそろ夕刻も近づいてきたことだし、しばらく見おさめだからとガーキンビルとタワーブリッジとビッグベンを拝んで一回宿に戻る。ま、まだ来るだろうけど。

 ロンドンの最後の夜は、なんかもう恒例となってしまった感じだが”We Will Rock You”を見に行った。これでもう4回目。東京にいるとライブに行くことなんてまずないのに。今回も席で苦労しないようにボックスオフィスで買ったのだが回を増すごとにいい席になっていく。夜7時、毎度おなじみドミニオンシアターに行くとなんと前から5列目!やや顔を上げて見る感じでキャストの表情がわかるのはもちろんのこと、回転台でキラークイーンが客席にせり出してくる時などは大げさな表現ではなく目の前まで来る。はっきりいって今回もいいもの見させてもらった。ショーが終わり、人ごみのなかをかき分け地下鉄の駅に入る。今回もいろいろな顔を見せてくれたロンドンともまたしばしのお別れ。パディントンの飯屋で肉をかじりつきながら日が暮れてからも忙しく走り回るタクシーやバスを眺めながら霧の都の短い夜は更けて行った。
←ロンドン市内でいつも最後に見る光景。黄金のフレディに見送られて日本に帰ります。

5月21日(金)
 昨日も結構寝たのが遅かった割には目覚ましよりもはるかに早い5時半に目が覚める。もちろんまだ眠いので目覚ましが鳴るまでボーっとしてから行動開始。さっさと荷物をまとめ、宿をチェックアウトしてからパディントンの駅へ。このために駅の近くに宿を構えるようなもんですぐにヒースローエクスプレスのチケット買い空港へ向かう。今日もいい天気で線路からはトレリックタワーがよく見える。ヒースロー空港は相変わらずの忙しさだが、自動チェックイン機が普及しているので行列は少なめ。今回、アイスランドの噴火騒ぎでロンドンに行っても帰りに飛行機が飛ばないことも考えられたので帰りはフランクフルト発のチケットにしたのだが結局早目に騒ぎが終息したのでそれとは別にヒースロー→フランクフルトも予約したのだ。というわけで生まれて初めて自動チェックインを体験。これがまごつくことなくできるとできるビジネスマンのようで非常にうれしい。真っ黒に日焼けして伸ばし放題のくま髭がビジネスマンのはずがないという意見には耳を貸すつもりはないです。それに本当にできるビジネスマンは携帯電話でさっさとやってしまうのだろう。道のりはまだまだ遠い。
 少し不安だったのが荷物で、果たしてここで預けてはたしてちゃんと日本まで着くかどうかだがそれも何とかなるだろうと、免税店の並ぶあたりを搭乗時間までうろうろする。機材はやっぱりA320。なんかもうすっかり乗りなれてしまったなぁ。定刻よりやや遅れて出発。スイスの精密な操縦も感激したが、キッチリカッチリのドイツが誇るルフトハンザはさらにそれの上を行っていた。雲が少ないということもあったが大きく揺れることもなく快適にフランクフルトまでの一時間半のフライトを終えた。こんな快適なら空の旅も悪くない。ゲルマン系航空会社を選んで今回は本当によかった。それに引き替えSNCFときたら・・・

↑ルフトハンザのお膝元、フランクフルト。広いし、機能的、そしてそして何よりビールが本当にうまい。

 フランスの愚痴はほどほどにして。フランクフルト空港での乗り継ぎになる。トランジット中にチェックインするというのももちろん初めてで、ちょっと憧れだった乗り継ぎカウンターへ行く。ドイツ人の英語は分かりやすいし、ルフトハンザの地上職員はとにかく親切。ヒースローの無愛想な係員とは、あれはあれで好きなのだが、えらい違いだ。ヒースローで預けた荷物のタグを読み取り、「荷物もちゃんと最終目的地まで行くよ」といわれてひと安心。安心ついでにドイツのビールをいただく。うまい!駆けつけ三杯、すっかり出来上がったところで搭乗時間となり、またしてもエアバス機、A340-600に乗ってあとは一直線に日本へ。機内食は和食を選び、日本酒を飲み、軽く夢の中へ。目覚めるころにはもう大阪。え?大阪!?
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