世界中で食べてきたものたち
〜エビで巡る世界の食卓〜
世界的にもメジャーな食材であるエビ、安定してうまいことや貝と並び甲殻類好きでもあって気づいたら数々の旅先で結構な数のエビを食べていました。ここでは今まで食べた各国のエビの入った料理を紹介します。これだけ食べていれば腰が曲がっても元気でいられそうです。
↑市場でこういうエビを見るにつけ、買って料理したくなってしまいます。
グリル
まずはシンプルなものから。なんだかんだ言ってもただ焼いただけのものというのは食べるだけで幸せにさせてくれます。もちろんこれを頼むのは海沿いの町で、量も大きさも申し分がありません。プリプリの身を豪快にかぶりつく行為は同じ甲殻類のカニじゃあ真似できません。こればかりはエビの独壇場というわけです。
↑港町ならではの大きなエビ。そりゃあこれを一人で食べていたら隣のオランダ人夫婦が「それ何?」と喰いついてくるわけです(ニース)
(左)オープンエアのレストランでモートンベイバグやイカのグリルとともに(ブリスベン)
(右)魚介類満載のシーフードプラッター。もちろん大きなエビは存在感満点!!(ニース)
ガンバス・アル・アヒージョ(バルセロナ)
スペインで酒を飲むならばやっぱりバル、そしてバルで酒を飲むなら頼みたいのが多種多様なタパス。そのタパスの代表格とも言えるエビのオイル煮です。エビの特徴であるプリプリ感を残したままにんにくの匂いに包まれた一皿はワインやビールのつまみに申し分なしです。オリーブオイルもフレッシュなものを使っているからか、ついつい飲めてしまうのがすごいところでしょう。バルの片隅で油を飲んでいる日本人男一人というのも異様な光景ですがね。
作るのもごく弱火でコトコト煮込むだけという簡単さなので自宅でつまみによく作っています。
↑にんにくの形がとどまるくらいの弱火で長時間煮るのが我慢できないのが江戸っ子の悲しい性。たいてい煮崩してしまいます。
パスティー(サンパウロ)
サンパウロの中央市場で食べました。一緒にブラジル名物のバカリャウ(干し鱈)のパスティも食べましたが、エビの勝ちでしたね。クリーム煮をパイ生地に包んであげたであろう物ですがこのパリパリ感にクリーミーさがよく合っていて、腹いっぱいにもかかわらず完食できてしまいました。
地球の裏側でもエビはやっぱりうまいものでした。
避風塘風(香港)
避風塘と言うのは香港の港にある台風などの際に船を留め置く避難場所のこと。そこで漁師の人たちのために出されていた料理のことを言います。どういう料理かというと、にんにく、唐辛子、ねぎなどと一緒に殻ごと揚げたもので、カラカラに揚がったにんにくとも歯ごたえがマッチして病みつきになります。もちろん殻ごとバリバリ食べ進むのですよ。
甲殻類全般この料理との相性がよく蟹(海老よりも実はこちらの方が有名)やシャコの避風塘風もあります。酒のつまみにも最高!
↑にんにく+ねぎの上にさらに大好物のコリアンダー。香りだけで大満足です。
ホッケンミー(シンガポール)
中華料理にルーツを求めると麺だけでも各地方で材料も作り方もまったく違うので外国で見る中華麺も色々な種類を見ることができます。この「ホッケン」とは中国の福建のこと。というとご近所でもある香港などで名物なのかというとそうではなくシンガポールでよく食べられているのです。福建もシンガポールも海に面しているので自然と海産物の入ったホッケンミーのほうに人気が集まるようです。エビもたくさん入っていましたよ。ちなみに麺は米から作った麺を使います。
↑こういうストレートにエビがいっぱい乗っているのがいいんですよね〜。
ワンタンメン(香港)
日本でワンタンというとひき肉が入ったものが一般的ですが、香港ではどうやらエビが入っているのが一般的なようです。現に肉入りワンタンって遭遇したことがないですね。ワンタンメン専門の店もあれば粥麺専家でも看板料理であることが多く食べる機会はかなり多いです。エビはたたいたものが入っているのですが、たたき方がかなり粗く非常にゴツゴツしていて、ゆえに食べ応えがあるのがうれしいところです。また、多くの場合スープにもエビを使っていて店の外までエビのいい匂いが漂ってくるのでそれにつられて店に入ってしまうことも・・・量もそれほど多くないので何杯でもいけてしまいそうです。
たまに気を利かせたつもりの日本語のメニューで
「ワソタソメソ」と書いてあるのは微笑んでやり過ごしてあげましょう。
↑麺が日本の中華麺に近いので香港の料理でもっともとっつきやすい料理なのではないでしょうか。ゴロゴロとしたエビが最高!
中華風炒め&チップス(マン島)
島といえば海産物が楽しみの一つなのはいうまでもありません。まあ、出たこと勝負で頼んでみて時に変化球が来るのも楽しみの一つですよね。そんな中で大リーグボール一号レベルの変化球だと思ったのがこの中華風炒め。あくまでも「中華風」と言っているのはその見た目に反して味付けがかなりアッサリ、いやイギリス料理の伝統でほとんど味付けがなされていないからです。自分で味付けする余地を与えてくれるのはうれしいのですが、この見た目で味がないのはさすがにビックリしました。付け合せもチップスだし。味付けのためにおなじみの調味料セットから選んだのは塩とモルトビネガーでした。これにもHPソースかけて食べるイギリス人も間違いなくいるんだろうなぁ・・・
あ、エビは新鮮でうまかったですよ。誰ですか?素直にガーリックプロウン頼んだほうがいいと言った人。
↑見た目だけならこれにはご飯が欲しいけど・・・やっぱりチップスでいいかな。
ガーリック炒め(クアラルンプール)
シンプルに刻んだにんにくとともに炒めたもの。この中では割とノーマルな感じのメニューですね。いいじゃないですか、たまには普通なものを頼んでも。
クアラルンプールのチャイナタウンで食べましたが、どこの国でもエビとにんにくの相性の良さというのは変わらないものなんですね。後ろにうっすらチリソースがついてきますが、この相性の良さの前にはそんなものいりません。
↑改めて見てみるとこのエビ、結構大きいですね。ビールのつまみとしては最高です。
生海老サラダ(バンコク)
暑い土地の性格上なかなか生ものにめぐり会えないバンコクで遭遇できたとびきりうまかったのがこのサラダ。千切りキャベツにエビ、スライスした生唐辛子とにんにく、ミントを乗せて、味付けはナンプラーのみ。チリソースが付いてきましたが、そのままでも充分うまかったです。生エビのトロッとした食感にシャッキリとしたキャベツの組み合わせが絶妙で、その上ににんにくと唐辛子の辛味がマッチして実にうまかったですね。さすがにこれは屋台ではなくカオサンのバー兼レストランで食べました。
この味が忘れなくて日本に帰ってから生エビを甘エビで、生唐辛子はしし唐で代用して作ってみました。それなりにオリジナルに近づけたと思います。
↑色が赤くないのが正真正銘の生エビである証拠。腹は壊していないのでノープロブレムです。
スキャンピ&チップス(アバディーン)
フィッシュ&チップスの亜種で、スキャンピ=手長エビを揚げたもの。一口サイズに小さくぶつ切りにしたエビを揚げているのですが、一人前が一尾だとすると結構大きいエビを使っていることになりますな。そんな大きなエビも揚げるしかないのか・・・というイギリス料理のレパートリーの少なさはまあ置いといて、要はエビフライ、もしくはエビのてんぷらのようなものなので普通に食べること出来ます。もちろんここでも活躍するのはモルトビネガーでした。一応港湾都市のアバディーンでしかメニューに載っているのを見てないのでこれもまた海の近くでしか見られないものなんでしょうね。
↑付け合せはもちろんイモとグリーンピース。メインがエビである以外はフィッシュ&チップスと何ら変わりません。
サーフ&ターフ(ロンドン)
サーフ(surf)は波、ターフ(turf)は芝生。語呂がいいですね。で、これが何を意味するのかというと、シーフードと肉の盛り合わせのことなのです。ロンドンで頼んだそれはステーキと串に刺した海老がのってきました。いつも単調なステーキに少し変化を加えたいときに頼むと面白いメニューですな。ま、海老が小さいのはこの際目をつぶりましょう。
↑串に5尾も刺さっていてエビが多い印象ですが結構小さいエビでした。結局イモで満腹にした感は否めないですよね。
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